過去ログ - 咲「イったらおしおきだって言ったのに……」菫「す、すまん……」
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48: ◆IClzeUGWus
2014/06/11(水) 23:11:23.77 ID:saIPE1Y60


その後も、「お姉ちゃんは〜」と彼女が話すだびに、それ以外のことなどどうでもいい、と言われているような気が

して、私の心はどんどん沈んでいった。

「お姉ちゃんは体育のとき――」

私が目の前にいるのに、彼女の目には照が写っている。

「お姉ちゃんが一年生のときは――」

焦げついた気持ちがじんじんと軋み、照のことを話すのが苦痛になっていった。

「…………」

私が沈黙したことによって彼女もバツの悪さからか、いつの間にか聞くのをやめてしまっていた。

たぶん私は今、ひどい顔をしている。

いわく形容しがたい空気が場を覆った。



音のない閉じた時間が私たち二人の間に流れる。

「私、シャワー浴びてきますね」

私のまぶたにそっと触れて、ひそひそ話をするように、耳元でささやいた。

子供のように拗ねてしまった自分の心を見透かされたようで、ぐっと息が詰まり返事もせず、ただ小さくうなずくし

かできなかった。

彼女の体が離れていく。

もう少しだけ、彼女の体温を、彼女の心音を感じていたかった。

離れた瞬間から、渇きを覚える。

彼女の体は私の体に本当に、さらっと自然に沁みていたことに気づかされた。






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