過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/27(日) 21:14:33.92 ID:z9W9RmgV0
実のところ学校は、保護者に対して何らかの強制力を働かせる権限を持たないのだ。特に児童保護においては公権力執行の主体は各市町村に置かれた専門部局であり、学校はその媒介をするに過ぎない。

つまりこの通告は、学校は現時点では様子見を決め込み、何ら実効性のある対策を打たず、そのための協力を拒むという意思表示なのだ。この怠惰が覆されるときには、事態の収拾はほとんど不可能になっているかもしれない。
それを思うと居ても立ってもいられないほどの焦燥が教師を襲うが、教師は学校の決定に逆らえない。逆らうための実力が教師にはなかった。

表情を変えないでいるのは多少の努力を要した。沈痛な体を見せるのはいかにも同情を誘うようで嫌だった。

一息に言い切った教師を、教頭は殺気を篭めた眼で睨みつけた。大きく見開かれた目は血走って、不穏な光を放つ。

そんなに憎いか、と教師は教頭を見返した。
彼らが掲げる“和”に与しない教師は不倶戴天の敵か、獅子身中の虫か。彼らにとって教師は所詮、彼らの信ずる秩序に反逆する裏切り者だった。

しかしこれは教師が悪いのか? 臭い物に蓋をして、必死に目を閉じ耳を塞いでも、覆い隠した現実は常に目の前にある。事実をいくら遠ざけようとも、それは彼方で護るべき人を襲っているのだ。それを見て見ぬふりをして自らは殻に閉じこもって安逸を貪るのは、これ以上なく罪深く、――彼女に済まない。



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