過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
1- 20
81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/29(金) 23:24:11.05 ID:FlGw8d970
「――先生?」

静かでか細いのに自然とよく通る声。少女の声だと教師は我に返った。混乱しているくせに口だけは滑らかで、とにかくと前置きした上で、少女の母親との面談を学校側が希望していると言付けた。

視界の隅で教頭が憤怒の表情を向けているのが見えたが、もう付き合っていられない。手筈通りに少女に封筒を手渡した。封筒には教師が用意した、学校の意向を記した書面が入っている。
この書面が少女の母親に渡れば、今回の会見の目的は達せられる。両手で封筒を受け取る少女から目を逸らして、教頭に目配せした。会見の終了まで教師が取り仕切ってしまっては教頭の立場がないだろう、という配慮からだったが、教頭はぎりぎりと歯軋りが聞こえてきそうなほど歯を噛み締めて教師を睨んでいる。

教師は眉をひそめて教頭を見返した。教師にも言い分はある。教頭がどうだかは知らないが、教師にはこの後も別の仕事があるのだ。教頭の遅延行動がなければとっくに取り掛かれていたものを、と恨み事の一つも言ってやりたい気分である。夏の足音が聞こえてくる季節、夕暮れ時は思っているよりも遅くなる。教頭が無駄にした時間は、実際以上に教師の心から余裕を削り取っていた。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
348Res/233.59 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice