過去ログ - 阿良々木暦「になショウ」
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/05(木) 19:12:47.60 ID:DNBJrAglO

「そうだねー、あたしも仲間が欲しかったし……プロデューサーが上を目指すなら、あたしも協力するよ!」

「ああ、ありがとう棟方」

……ん?

「ちょっと待て、いつの間に来ていたんだ?」

「プロデューサーが三人の前でブツブツ言い始めた頃かな」

道理で途中から話題が胸方向へとすげ替えられていた訳だ。

まあいい、棟方がいようといまいと関係ない。
僕には何に代えてもやらなければいけない事があるんだ。

そういう訳で僕は産まれついての紳士スキルを十二分に発揮し、彼女たちがより快適な眠りにつけるよう、毛布をかけてあげようと近付く。

おっと、寝ている間に床擦れして跡になってしまってはいけない。
ちゃんと正しい姿勢で寝かせてあげないとな。
動かす際にちょっと変なところ、具体的には胸とかおしりを触ってしまったり、スカートだからうっかりこどもパンツが見えてしまっても不可抗力だよな。
僕は彼女たちを思いやってやっているのだから、役得だなんて不純なことは言わないけれど仕方ないよな。

「うへへ……青い果実……」

「ああっ、しまったー、手が滑ってしまいそうだー」

よだれを垂らしながら手をわきわきさせる棟方を横目に、超棒読みと共にさり気なく手を市原と遊佐の胸元へ。

と、

「……阿良々木君?」

その途中で腕を万力のような力で掴まれた。
そのまま腕を握り潰されるんじゃないかと思う程の危惧を感じる中、その手の主を確認する。

「……おはようございます、片桐さん。いい天気ですね」

「そうだね、陽気もいいし、とっても気持ちよくてみんなお昼寝しちゃうのもわかるよねえ」

ひょっとしたら温情裁きが、と少しでも期待した僕が愚かだった。
片桐さんは口調こそ朗らかだが、眼が一切笑っていない。
あれは笑顔で人を殺せる眼だ。
棟方はいつの間にかいないし。

「言い訳は……しません」

「それは男らしくてたいへん結構」

ひとつの愛を貫き通して死ぬのもまた華の散り様 、か。
傾奇者の僕には相応しい最期じゃあないか。

「もうちょっとシリアスだったら恰好良かったかも知れないんだけどね」

僕は介錯を待つ侍のように眼を閉じ、警察官仕込みの熱い拳をその身に受けるのであった。



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