27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/05(木) 19:47:53.80 ID:DNBJrAglO
「ちゃんと、行けてるといいね」
「そうだな」
白坂が言うのは、恐らく死後の話だろう。
僕は死後の世界を一度覗いてはいるが、そのシステムについては良く分からない。
僕はいきなり地獄に飛ばされたが輪廻転生があるのかも知れないし、信仰する宗教によって行き先が違うのかも知れない。
だがまあ、そんなことは死んでみれば判ることだ。
今からどうこう頭を捻る問題じゃあない。
「いやあ、小梅ちゃんは小さいのに優しくてしっかりしているな」
「神原……鼻血を拭け」
神原は白坂を抱いて鼻血を出していた。
言うまでもなく変質者だ。
「おっと失礼……こんな小さくて柔らかくていい匂いのする女の子たちと毎日会えるなんて羨ましいにも程があるぞ」
鼻にティッシュを詰めながらそんなことを言う神原。
確かに市原や白坂を始め、我がプロダクションには小学生組が多数いる。
「白坂、そのお姉さんから邪気を感じたらすぐ僕に言うんだぞ」
「だ、大丈夫……神原さんはいい人だから……」
子供は皆、その純真ゆえに人の善悪が感覚でわかると聞いたことがある。
傍から見たら変態にしか見えないが神原も悪人ではない。
白坂も気にしていないようなので良しとしてやろう。
「しかし、私が呼ばれた理由が未だによく解らないままだな」
「僕にも解らないさ」
臥煙さんの心中など、僕如きに解る筈もない。
それでも敢えて、理由を考えるのだとすれば。
「接点を持ち続けておきたかったんじゃないか?」
「私と?」
猿の腕から解放された神原は怪異の専門家としては無価値だろうが、それでも臥煙さんにとっては可愛い姪、なのかも知れない。
忍野、貝木、影縫さんというビックリ人間たちを統括出来るあのひとにそんな人間らしい感情があるかどうかも怪しいところだが、まさか人間じゃないなんてことはあるまい。
あくまで僕の予想、だけれど。
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