過去ログ - 阿良々木暦「になショウ」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/05(木) 18:46:02.87 ID:DNBJrAglO

「という訳で千川さん、僕は今日一日、コアラ市原の拠り所であるところの一本の樹として任命されましたので、仕事が出来ません」

市原を腕にくっつけたまま千川さんに頭を下げる。
言っておくが僕は大真面目だ。

千川さんにその事を告げると、一瞬の間を置いてぼきり、と鈍くかつ心地のいい音が響く。

見ると、千川さんの持つペンがへし折れていた。
同時に中から赤色のインクがあたかも血か何かのように飛び散る。

「あらいけない、欠陥品だったみたいですね」

「……!」

無言で口をつぐむ僕の傍らで、水性ペンで良かった、と上品に笑いながらティッシュでインクを拭き取る千川さん。

「……で、何でしたっけ?」

「いえ、特に何も。仕事に入ります、マム」

「はい、今日も一日がんばりましょうね」

聖母のような笑みを返す千川さんに敬礼の真似事をし、自分のデスクへと戻った。

……。
なにあれ怖い。

「暦? どうしやがりました?」

その日のほとんどを僕の腕に掴まる市原と過ごした代償は、その後三日にわたる筋肉痛であった。



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