過去ログ - とある学生の雷神右方-Reincarnation-
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52: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/07/20(日) 23:36:51.42 ID:NW1KTjiA0

すりすり、と黒猫が懐いてくる。
指先でちょいちょいと頭を撫でてやりつつ、フィアンマは振り返った。
上条当麻が、悠然と立っている。

「よ。こんばんは」
「何か用でもあるのか?」

問いかけ、フィアンマは黒猫を抱き上げる。
なごなごと懐く猫のあご下をくすぐり。

「いや、何か用事があるって訳じゃないんだけどさ」
「……?」
「今日、楽しかったか?」
「…勿論だ。何年待ったと思っているんだ?」
「それもそうだよな。……長かった」

のんびりと言い、上条はベンチへと腰掛ける。
招かれるまま、フィアンマは彼の隣に座った。

「……当麻は、これで良かったのか」
「最初に言いだしたのはオティヌスだし、俺は自分の意見で賛成した。
 後悔なんかしてない。……俺は幸せだよ。お前のお陰で、何の変哲もない毎日を送れて」

夏の夜の風が、二人の髪を揺らした。
キィ、と公園に設置されたブランコが揺れている。

「オティヌスが『創り』、俺が『直し』、フィアンマが『調整』してる。
 だけど、もう造り直す必要はなさそうだな」
「俺様のワガママに付き合わせてしまった」
「俺達も我が儘だったんだよ。お前の幸せを、勝手に望んだんだ」

明日はよく晴れそうだった。
雲ひとつない夜空が、予感を証明している。


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