過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」その4
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12:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga]
2014/06/10(火) 02:37:43.95 ID:igNzDGpD0
「はっ……あ゛っ……ぎぃっ!」

足を抱えるようにして上条が床に転がり込み、苦悶の声を漏らした。
喉が痙攣してまともな悲鳴すら上げられない。
気も狂わんばかりの痛み。足の水分が、血が、ぼこぼこと泡を立てて沸騰している。

「おっほほ、こうしてみると、電子レンジもなかなか凶悪な代物だ。そうは思わないか」

「――――ッ! 〜〜〜〜ア゛ガアアァ゛ッッ!!」

木原の視線が上条の反対の足に向き、上条が絶叫した。
不可視のマイクロ波による遠距離攻撃。
分子活動の加速に伴う体温の急激な上昇。
強烈な電撃すら甘やかに感じる刺激だった。

ただでさえ劣勢なのに、見える攻撃と見えない攻撃を織り交ぜてくる。
男の徹底した戦い方はかつて相対した一方通行を髣髴とさせた。
強すぎる。
こうまで絶望的な戦いを強いられて初めて、電撃使いの能力を心のどこかで見くびっていたことに上条は気づく。
純粋に、狡猾に、対象を破壊することに専念すれば。
自分が知るあの少女は、御坂美琴はいつでも上条当麻に勝てたのだと思い知る。
彼女を軽くあしらえていたなどと、とんでもない誤解だ。
無意識にせよ、御坂のほうが上条に手心を加えていたのだ。

ステイルの辛辣な言葉が蘇る。
驕っていたんじゃないか。
実際は、この程度なのに。
禁書の力を借りてさえ、このザマなのに。

ややあって、木原がつまらなそうに目を逸らし、悲鳴が短い尾を引いて消える。
重度の日焼けみたいな有様になった上条の両足からは、香ばしいとさえいえる匂いが立ち上っている。
魔力を過剰に使わねば再生が追いつかないのだろう。
スラックスのポケットに収められていたカードのルーンが数秒ほどで消失、ただの紙切れに変わった。


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