過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」その4
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13:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga]
2014/06/10(火) 02:45:32.55 ID:igNzDGpD0
「…………ぅ……ぐぉ」

気が遠くなるような痛みに苛まれ、ぐったりとした上条に、木原が晴れ晴れとした表情を向ける。

「あと少しのところで手が届かない。我々が何度も通った道だ。君にも是非とも体感してもらいたい。
そうすれば、彼女に対する我々の憤りを少しは理解できるだろう」

「……ぁぐっ、く……そ……ったれ……」

攻撃に晒された足は、ひどい日焼けを負ったように真っ赤に爛れている。
空気が揺れ動いただけで針で刺されたような痛みを感じる。

「一つの裏切りによって長々と遠回りすることを我々は強いられた。
罪には罰を。人類史以来その理はなんら変わっていない。今の彼女の苦しみは、当然の報いなのだよ」

横倒しになっている上条から木原はあっさりと目を放し、

「そう。心理掌握という仇名も、かつてはわたしのものだった」

どこか懐かしげに宙を仰いだ。

行動心理学と社会心理学を組み合わせれば、日常生活に置いても身近な人間から様々な感情を読み取れる。
たとえばわずかな眼球の動き。
張りつめた場にいて手が向かう方角。
佇まいを直すときの速さなどから、その人物がどういう心理状態にあるのかを大まかに推測できる。

「加えて、体細胞温度や心拍数。血液の流量、脳波やホルモンの分泌量などを目にするだけで、対象の思考を事細かに把握することが可能となる。
その読み取りの正確さゆえに、研究仲間の一人が面白半分で僕に異名をつけた。それこそが」

「……心理、掌握」

言葉を継いだ上条に、木原がしたり顔でうなずいた。


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