過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」その4
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19:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga]
2014/06/10(火) 03:31:24.38 ID:igNzDGpD0
「それまでの間、役にも立たん正義感を振りかざし、我々から研究成果を奪おうとした罪を、
たっぷりと思い知らせてやらねばならんな。君にも、あの子にもね」

内面に生じつつある変化とは裏腹に、皺だらけの指先からよからぬ命令を下す電波が二度三度と放たれ続ける。
全体の波形が段々となだらかになっていく様が霞む視界に映る。
曲線が徐々に線へと近づいていくその様に、焦燥感が膨れ上がる。

――やめ、ろ。やめろ! 本当に死んじまうだろがッ!

意識から連続して放たれる懇願の声は、しかし相手に届かない。
ボロボロの体をおして、上条が起こした膝を支えに立ち上がりかけたそのとき――



「…………ぁ?」



唐突に凪が来た。

忌避すべき現実の到来。

間延びした電子音と共に波形が直線に収束し――液晶に表示されている複数の数値が――みるみる0に近づいていく。
階段状だったグラフまでもがなだらかに萎んでいき、ライン上にぴたりと収まった。

「……とっ」

木原が泡を食ったように電撃を止め――――上条の瞳孔が限界まで拡大。

それがどのような状態を示しているのか、説明されるまでもなかった。
計測装置に繋がれた患者の異常を示す甲高い電子音が、耳の奥で規則正しく木霊している。


ぐったりと体を弛緩させて椅子にもたれかかっている食蜂操祈の姿が、
息を継ぐことさえ忘れていた脳裏に投影された。


それが、引き金となった。



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