過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」その4
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5:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga]
2014/06/10(火) 01:26:14.89 ID:igNzDGpD0
身近にいる人間が手酷く傷つけられて、それでも無抵抗主義を貫ける者などいるはずがない。
座して死を待つ哲学など、上条当麻の辞書には登録されていない。
布束の前で自戒した通り、諦めの悪いことだけが、自分の取り柄だ。

「力づくか。しかし、君ごときに何ができるのかな」

木原が口の端を歪めながら笑った。
その態度に上条がすぐさま反発する。

「こっちもいい加減、言動に気を遣えねえ程度にはキてんだわ。
アンタのその余裕面を――――歪めてやりたくなるくらいにはなぁっ!」


言葉の途中で突進に転じた上条が、中段に構えた拳をすぐさま振り抜こうとした。
その矢先――

「ぐぁっ!?」

左肩口に予期せぬ衝撃を見舞われた。木原のすぐ横を歩かされ、つんのめるように上条が倒れ込む。
打ち付けそうになった顔を庇い、突いた手のひらの周り、磨き抜かれた金属床に過ぎるいくつもの影を認めた。
先ほどまで床に転がっていたはずの金属球。
それがあたかも命を吹き込まれたように浮遊している。

「……ぐ、こいつ、は」

「どうして屈強な傭兵や魔術師どもが、私のようなひょろい研究者の命令に従っていたのだと思う?」

物腰穏やかなままに、木原が不敵な笑みを浮かべた。


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