109:1[sage]
2014/10/04(土) 23:30:47.73 ID:c4R1WUbH0
艦娘(美しい真珠)
艦娘(綺麗なそれは、長い時間をかけて育てられるもの)
艦娘(この美しい海で、長い時間をかけて、育てて行くもの)
艦娘(私の家は、そんな真珠の養殖を手がけていた家だった。否、真珠の養殖を家業にしようとしていた)
艦娘(あちこち駆け回って借金した父が山ほど揃えて来たアコヤガイの山を、今でも覚えている)
父「立派なアコヤガイの子供だ」
父「この海は台風が来る事も少ない、穏やかな場所だからな」
艦娘「これだけあれば、どれだけ真珠ができるの?」
父「そうだなあ…数千…数万は行くんじゃないか?」
艦娘「お風呂がいっぱいになる?」
父「ああ。いや…お風呂だけじゃない。学校のプールだっていっぱいになるぐらいだ!」
父「全部育てよう。立派に育ててみるんだ!」
艦娘(余談だが、真珠の養殖というものは数年単位である。そもそも真珠を作るにしても、真珠の核を入れる貝を育てるにも一苦労だ)
艦娘(借金もあったし、決して裕福とはいえない生活。食べ盛りの私はいつもお腹を空かせていた)
艦娘(だけどご飯が食べられないのはしょうがない事。いつか、綺麗な真珠をたくさん作って、私はそんな立派な真珠を誇りに思うのだ)
父「貝もだいぶ大きくなって…ん? なんだ、あれ?」
ニュース『えー、続いてのニュース。インド洋方面から帰還中の漁船集団が深海棲艦に襲われました』
ニュース『積荷のタコが大量に海上に流出し、現在国内にてたこ焼き用のタコの供給が追いつかず…』
父「タコだー!!!」
艦娘「お父さん大変! タコの大群が!」
父「蛸壺をたくさん用意するんだ! タコは貝の天敵だ、貝が食べられてしまう!」
艦娘(とにかく養殖では様々な困難の闘いだった。特にタコとの死闘は毎年続いた)
艦娘(この時、深海棲艦のせいでタコが流出したと思うと、深海棲艦の事は海から来る怪物だけど許せない、と思っていた)
艦娘(当時子供だった私にとっては、深海棲艦の認識というのはそれぐらいだったのだ)
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