26:1[sage]
2014/06/18(水) 21:44:29.49 ID:uFrkF4c+0
艦娘(何時間もの時間が経った後、今度は入渠所が騒がしくなった。艦隊の帰投だった)
艦娘(そして、怒り心頭の駆逐艦娘が何人もやってきて、私を部屋から引きずり出した)
艦娘(最悪の事態が起こった事を悟った。冷却装置のパーツを忘れたタービンは、彼女にとって満足すぎる最高速度を出したまでは良かった)
艦娘(だが、最終的には耐え切れずに爆発してしまい、彼女は大破した。二度と艦娘としては復帰できないほど、酷いダメージだった)
先代島風「おっ! 来た来た!」
艦娘(彼女の前で、私は必死に頭を下げた。パーツを忘れた事を、何度も何度も謝った)
先代島風「あー、そうだったのかー。だから熱かったんだ。だけど……」
先代島風「すごい速かったよ? あのレ級の動きに先回りできたんだ! 今まで、誰も追いつけなかったのにねー」
先代島風「すごく早くて、もう満足したよ。充分過ぎる程!」
艦娘(彼女は…笑っていた。私の新型タービンの凄さを、強く語り、自らの戦果を誇らしく思っていた)
艦娘「でも…でも、あんた…」
先代島風「ん? なに泣いてるの?」
艦娘「だって…だって…あたしが、あんなミスしなければ……」
先代島風「早いことに、命賭けてる」
先代島風「そしてそれに答えられた。それだけだよ。それに、今まで誰も追いつけなかったレ級を追い越せた。もう、満足だよ」
先代島風「これで作戦が失敗してたら怒ってたと思う。でも、作戦は成功したし、なによりも性能はすごかった! 怒ることなんてないよ」
艦娘「気にして…ないの? もう…艦娘には、なれないのに…?」
先代島風「充分過ぎる程、早いからね」
艦娘(涙がこぼれた。彼女は、早いことに命を賭けた、という意味を理解した)
艦娘(彼女は、本当に早いのが好きだったのだ。私と同じように)
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