40:1[sage]
2014/06/20(金) 00:02:52.19 ID:u/VSH0sC0
艦娘(姉は心底呆れた口調で私をひっぱたく。喧嘩をする度にやられることだ)
姉「いいか。強さってなんだ?」
艦娘「負けなくて、カッコよくて、それで泣かないこと」
姉「あほ」ぺしっ
艦娘「な、なにすんだよー!」
姉「よく聞け。強さってのはな、別に負けないことじゃないんだ。お前みたいに誰彼構わず喧嘩して、相手を泣かせてることじゃねぇよ」
艦娘「じゃあ、なにさ」
姉「大切なものを守る為の力。それが強さだ」
艦娘(いつもは目が死んでいる姉が、どこか強い目でそう告げたのを、曖昧に覚えている)
艦娘「ぼ、帽子だって大切だよ! 父ちゃんにもらった、大事な帽子だ!」
姉「まあ、それもそうだろうな。けど、それだけじゃ強いとは言えない。お前、本当に強くなる為に道場通ってるんだろ?」
艦娘「そりゃ、そうだけど」
姉「先生は喧嘩したら怒るだろ?」
艦娘「うん…」
姉「どうして怒るのかって事を、先生に聞いて来い。話の続きはそれからだ」
艦娘「むー…姉ちゃん意地悪言うー!」
姉「意地悪じゃない。まったく、お前はどうして短気なんだ…」
艦娘(結局、道場の先生に聞いても。姉ちゃんと同じような答えを返された)
艦娘(本当の強さってなんだろう。私はそれが解らないまま、ただ鍛錬を繰り返して、マッチョな男の映画を見ていた)
艦娘(ジョッキに生卵を幾つも入れて飲むのをやっていたら母親に背負い投げされたのは恥ずかしい記憶だ)
艦娘(ただ鍛錬に打ち込む姿の私は、同年代の子供達にとって奇特に映った。かつて幾度も喧嘩した悪ガキ達は私を見れば避けるほど)
艦娘(大切なものを守るとは何なのか、本当の強さとは何なのか。私は解らないまま、ただ無心にトレーニングに励んだ)
艦娘(こんな小さな島で、それを披露する場所なんてどこにもないというのに。滝に打たれたりもしていた)
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