過去ログ - モバP「たった一人の理解者」
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1:オーンスタイン ◆gijfEeWFo6[saga]
2014/06/19(木) 02:28:33.45 ID:7j0P74py0

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 ――出会いは、唐突に訪れた。





「あのー、少しよろしいでしょうかー?」

 会社からの帰宅途中、雨が降りそうだからと少しばかり速目に歩いていると、突然後から声をかけられた。

 この時既にとある違和感を感じていたが、突然話しかけられた為に違和感の正体に気づくことはできなかった。

「そこのお方ー、ひとつお伺いしたいことがございましてー」

 振り返れば小柄な少女が佇んでいた。

 可愛らしい声で、やけに語尾を伸ばすゆったりとした喋り方の少女。
 華やかで明るい色の着物を着こなし、長い亜麻色の髪を後で一つに束ねている……顔立ちは幼いが、どこか大人びているようにも見える不思議な少女。

 少女は一歩二歩と近づいてくる。やがて俺を視界の中心に見据えると、静かに微笑んだ。

「むー? あぁー。そなたでしたかー、わたくしを探しているのはー。人をお探しだったのでしょうー?」

 ずい、と更に一つ歩を進めて近づいてくる少女はどこか白々しくそう言った。独特の間延びした話し方も何だか棒読みのように聞こえてしまう。
  

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