7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/20(金) 18:35:36.76 ID:aUpPVcxlO
「むう……成長期にあまり食べなかったのが失策だったのか……?」
成長期をとっくに終えた僕にはもうこれ以上の成長は望めない。
いや、望めないも何も、半吸血鬼化した時点で成長は止まっているわけだから望むべくもないと言った方が正しいが。
なお、諸星は今も現在進行形で成長期らしく、出会った時には182cmだったのが遠い昔の出来事のようだ。
これからもまだ土筆のように伸びるのかと思うと恐ろしいことこの上ない。
「身長はあげられないけど、代わりにきらりん☆ぱわーあげちゃうにぃ!」
「きらりん☆ぱわー……?」
疑問符を浮かべる僕に対し、諸星は胸元でハートマークを作って溜めを作る。
何をするのかと身構えていると、その手を僕の胸辺りに突き出してきた。
「ほわあああぁぁぁ……にょっこいしょー!」
「ふぐうっ!?」
予想以上かつ予想外の衝撃に、思わず神経毒持ちの魚類を連想させる変な声が出てしまった。
諸星は軽く押したつもりだったのだろうが、その身長差と僕が壁を背にしていたことから思いの外ダメージを受ける。
イメージとしては肺を握られて空気が飛び出した感じだ。
「暦ちゃん元気でた?」
「あ、あぁ……バッチリだ諸星」
「うきゃー☆ 暦ちゃんも元気でハピハピだね!」
諸星きらりはアイドルだ。
ただ、出ている杭を打つよりも先に没個性が沈んでいく芸能界において、アイドルに必要不可欠な『キャラ作り』を素で完成させている、ある意味アイドルをやるために生まれてきたとも言える少女である。
初見では確実について行けないミラクルハイテンションに、その性格にそぐわない男性だとしても高すぎる身長。
加えて周囲の環境にまるで揺れないダイヤモンドの心を持った、非常に稀有なアイドルだ。
個性的な面子が多いシンデレラプロの中でも一際異彩を放っている。
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