23: ◆V0KrAyBMBI[saga]
2014/07/09(水) 23:11:24.71 ID:Q3eUf7rm0
ジリリリリリリリリリツ!!!
耳元でけたたましい騒音が鳴り響く。
少し前に目を覚まし、それからしばらく微睡んでいた僕は、一気に覚醒状態に引き上げられる。
騒音はなおも鳴り続け、僕は未だ上手く働かない目と耳で、元凶の位置を探り当て、
その頭に手刀を軽く叩き込む。
騒音の元凶こと目覚まし時計は、その攻撃により騒音をぴたりと止め、寝室には朝の静寂が戻る。
「ん……」
隣の布団で先輩の声が聞こえる。
普段鋭い目は穏かに閉じられ、小さな寝息を立てている。
あの目覚まし時計の音でも目を覚まさず、未だ深い眠りの中に居るようだ。
その様子に僕は安堵し、先輩を起こさないよう、布団から静かに起き出す。
洗面所で顔を洗い、制服に着替えながら朝食のメニューを考える。
(先輩、確か久々にパンが食べたいって言ってたな。
ならフレンチトーストにウバのミルクティーでいいかな)
着替えを済ませて、エプロンを着けキッチンに立つ。
実家では回り番で食事を作っていたので、料理自体は慣れている。
もっとも作っていたのは和食ばかりで、洋食を作ったことは殆ど無い。
こうして洋食を作るようになったのは、先輩と暮らし始め、先輩に教えてもらってからである。
(まぁ和食でも洋食でも先輩の方が断然美味しいんだけど。また作ってくれないかな)
卵と牛乳、砂糖をボウルの中に入れて、それらを適当にかき混ぜる。
よく混ざったら、その卵液の中に四等分した食パン四枚を浸し、そこで僕は先輩を起こしに行く。
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