25: ◆V0KrAyBMBI[saga]
2014/07/09(水) 23:20:40.40 ID:Q3eUf7rm0
再びキッチンに立ち、フライパンにバターを放り込み火にかける。
バターはゆっくりと溶けていき、同時にバターの香りが部屋に広がっていく。
バターが溶けきり、いざ卵液に浸していた食パンを焼こうとしたところで、先輩がリビングに入ってくる。
口元に手を当てて小さなあくびをしながら、ふらふらと洗面所に向かっていく。
(……普段のキリッとした先輩もいいけど、やっぱり可愛い先輩もいいなぁ……)
先輩との共同生活で得したこと。
それは生活に影響するものだけでもたくさんあるけれど、その中でも一番はやはり、
(先輩の色々な面を見られること、かな)
これだ。これだけで僕は二十四時間戦える気がする。
何と戦う気なのかは自分でも分からないが。
(僕も案外ちょろいなー……)
しみじみと思う。
先輩と初めて会った時と比較すると、過去と現在で僕も先輩もあちこち変わったなと感じる。
例えば、先輩は今より全然とっつきにくかった。
僕も慣れたということもあるだろうけれど。
「手が止まってるわよ」
先輩がリビングに戻ってくる。
先程とは打って変わってシャキっとしている。
僕に声を掛けてそのまま寝室に再び戻る。着替えに行くのだ。
僕は、先輩はこうじゃなくっちゃなと思いつつ、止まっていた料理を再開する。
44Res/33.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。