過去ログ - 菫「見つけた。貴方が私の王だ」咲「えっ」
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2014/06/27(金) 22:58:58.04 ID:vqbL5cdyO
咲のスレならいちゃもんつける奴が出て来ると思うが本気で期待してるから本気で完結させてくれ、頼むわ
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2014/06/27(金) 22:59:13.91 ID:cMGVLU1+0
咲には両親がいない。
物心ついた時より大きな商家の下働きとして働き、とりあえずの日々を細々と生きていた。
商家の主人からは小さな粗相をしては頭ごなしに叱られ、
以下略
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2014/06/27(金) 23:05:58.48 ID:cMGVLU1+0
この世界は天帝により12の国が定められ、それを治める王がいた。
咲がいるこの国も、その十二のうちの一つだったが……
数十年前に前王が倒れて以来、まだこの国に新王は立ってはいない。
以下略
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2014/06/27(金) 23:12:23.36 ID:cMGVLU1+0
王を神にした麒麟を失えば、王はもはや神ではない。
そうして、酷い病に冒された前王が死んでから数十年。
新しい麒麟による選定は始まっているらしいが、今だ新王が即位したという話は聞こえてこない。
以下略
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2014/06/27(金) 23:16:58.78 ID:cMGVLU1+0
ある寒い日のことだった。
朝の仕事をある程度終えた咲は、桶を持ち裏の勝手口より井戸へと向かう。
桶に井戸から水を組み入れ、それが終わると赤くなってしまった指先に息を吹きかけ咲は一息ついた。
以下略
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2014/06/27(金) 23:23:57.61 ID:cMGVLU1+0
咲「えっ」
ついつい短い声を上げてしまったのは、咲の他に人がいるとは思わなかった事と。
佇む人影に見覚えがなかったからだ。
以下略
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2014/06/27(金) 23:27:14.47 ID:cMGVLU1+0
どうやら、本当に迷い込んでしまったのかもしれない。
無愛想だが、世の中、色んな人がいる。
こんな気難しそうな商人がいても可笑しくはないのだ。
以下略
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2014/06/27(金) 23:31:25.07 ID:cMGVLU1+0
咄嗟に、触れたままの指先を退けてもらおうと、咲は眼前に立つ少女に訴えようとした。
が、見上げる先にある端正な顔立ち。その瞳が気難しげに細められた。
そして、形の良い唇が開く。
以下略
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2014/06/27(金) 23:34:43.37 ID:cMGVLU1+0
だが、そんな咲の希望的観測を否定するよう少女は首を左右に振る。
菫「私が、貴方を見間違うはずがない」
咲「で、でも、初めてお会いしましたよね?」
以下略
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2014/06/27(金) 23:37:31.18 ID:cMGVLU1+0
主人「そんな所で何をやっている!?」
野太い怒鳴り声と、寒さで悴む指先で咲は持っていた桶を地面に落としてしまった。
バシャリと汲んだ水が辺りに染み渡り、その向こう側から荒々しい足音を響かせ主人がやってくる。
以下略
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2014/06/27(金) 23:40:08.04 ID:cMGVLU1+0
聞こえてきた声は確かに少女のもので、
怒りの余り咲にしか意識がいっていなかった主人はやっとその存在に気付いた。
主人「…どこの馬鹿か知らないが、こいつは我が家の下働きだ」
以下略
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