過去ログ - 走れエロス
1- 20
18: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:33:32.07 ID:xpCfEu5V0
単純に考えるなら、このまま急いで帰って猥本を隠せばよい。

しかし太郎の頭は最悪の事態を想定していた。

鈴木が家に一報を入れるという事である。
以下略



19: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:34:14.51 ID:xpCfEu5V0
太郎には竹馬の友があった。佐藤健太である。

健太も勝と同じく、志を同じくする者の一人である。

彼らは、
以下略



20: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:35:00.95 ID:xpCfEu5V0
コールがやけに長く感じる。

太郎はトントンと爪先を地へ打ち続けた。

6回目のコールの後、ガチャリと受話器を上げる音がした。
以下略



21: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:36:33.99 ID:xpCfEu5V0
太郎は受話器をフックに叩きつけ、すぐさま駐輪場へと駆け出した。

鍵を外し、ヘルメットを被り、颯爽とサドルに腰を据える。

そして両手でハンドルをガッシリと握る。
以下略



22: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:37:11.57 ID:xpCfEu5V0
黒い風が大地を駆ける。その勢いや疾風怒濤。

カバンが大気を切り裂きながら、太郎の後ろを横一文字に追従する。

額から飛び散る汗だけは、その場に残って太郎の背中を見送った。


23: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:37:58.55 ID:xpCfEu5V0
あらゆるものが風を避ける。

電柱、看板、ゴミ箱、家屋、コンビニ、横断歩道、街路樹、ガードレール、そして、自転車、道行く人々。

彼らは驚然として道の端へと跳び退いてゆく。
以下略



24: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:38:57.59 ID:xpCfEu5V0
さて、健太は受話器を置いてすぐさま太郎の家に向かった。

二人の家は目と鼻の先にあり、竹馬に乗って行っても2分と掛からない距離にある。

呼び鈴を鳴らすと、程なくして太郎の母が出迎えた。
以下略



25: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:39:40.24 ID:xpCfEu5V0
ドアを開けると、真っ先に桃色の本が目に入る。

机の上に堂々と鎮座したソレは、

桃色の表紙にデカデカとした金文字で『月刊エロティカ999』と書かれている。
以下略



26: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:40:56.72 ID:xpCfEu5V0
本の表紙はうら若き女性が飾っていた。

ただ今絶賛売り出し中の新人グラビアアイドルらしい。

名前まで覚えていないものの、健太もしばしばその顔を見かけている。
以下略



27: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:41:54.78 ID:xpCfEu5V0
上から下へ、ゆっくりと表紙を視線で舐める。

黒くツヤのある滑らかなショートヘア。

物欲しそうに訴える黒い瞳。
以下略



28: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:43:00.33 ID:xpCfEu5V0
健太は合掌して頭を下げた後、その本を背の中、即ち上着の下に滑り込ませた。

そして腰とベルトの隙間に差し込み、落ちないようにしっかりと体に固定する。

同時に下の階から電話が鳴った。
以下略



80Res/33.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice