過去ログ - 結城晴「待ってろよ」
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23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/12(土) 01:12:14.50 ID:w/26O5Id0

そう、思っていた。
あの日からまた時は一週間過ぎ、次の休日になった。
晴は仕事中でも碌に口を聞いてくれなかった。仕事に関する事を言っても気の抜けた生返事を返すばかりで、集中力が無くなっていた。
このままでは仕事に支障を来たしてしまう。どうすれば晴と和解出来るだろうか。そんな事を布団の中で考えて悶々と午前中を過ごした。
食欲は無いが昼飯はどうしようか、そう思い布団から抜けだそうと立ち上がった時、インターホンが鳴った。

また親からの物資が届いたのかと思い、無防備に背中を掻きながら俺は玄関へと向かった。
扉を開けるとそこには誰もいなかった。なんだ悪戯かと思ったが、視線を降ろすと子供が俯いてぽつんと立っていた。

晴だった。
俺の顔を見ずただ俯き、ポツンと彼女は立っていた。
何だかその姿はとても弱々しくて、今にも壊れてしまいそうな儚げな空気が漂っていて、俺は思わず手を伸ばしてしまいそうになった。
それを押しとどめ、俺は息を呑みながら晴が何か言わないかと身構えた。
静止した二人の間に気まずい空気が流れる。何も言えず、何も言わず、俺達はしばらく二人で黙って突っ立っていた。



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