過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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106:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/21(月) 01:01:54.44 ID:r4w0sd270
 聞き終えたレッドは、呆然として動けなかった。

 ロケット団の横暴もそうだが、なによりグリーンの行動と強さに驚嘆した。

 レッドも認めざるをえない。グリーンに一度勝利したとはいえ、グリーンはまだまだレッドの先を行っている。

「さすが、グリーンですね……。彼は昔からなんでもうまくこなしたけど、そこまでとは……」

「うむ。わしも長年ポケモントレーナーを見てきたが、あそこまで圧倒的な強さを見せつけられたの初めてじゃった。それにポケモンへの優しさも……」

「……」

 レッドはそれを聞いて無言で考えた後、立ち上がって壁の隅のカラカラへ近づいていく。

「レッド君?」

 グリーンはガラガラを埋葬し、カラカラの回復を願った。

 自分もなにかしたい。ポケモンを愛するものとして、心に深い傷を負ってしまったカラカラに。

「カラカラ、俺はレッド。フシギソウ達と一緒に旅をしてるんだ」

 背を向けるカラカラに話しかける。言葉は通じていないだろうが、カラカラはすこしばかりレッドに振り返る。

「親を失った悲しみは、俺には想像もできないほどだ……立ち上がって元気を出せなんて言えるわけもない」

 レッドはカラカラに手を差し伸べる。この旅でレッドは、多くの人から優しさと暖かさを貰って来た。今、自分からカラカラに伝えたい。

「カラカラ、悲しみを乗り越えるのは自分のペースでいい。ゆっくりと自分の心を癒やす方法を探していこう。俺も、君の力になるよ」

 レッドの手はカラカラの背に触れないで中空で止まっている。

 カラカラはレッドを見たまま、動かない。潤んだ瞳は何を思っているのだろう。


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