過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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114:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/21(月) 23:39:10.39 ID:r4w0sd270
 街を見下ろせる丘でレッドは目をつむっていた。そして今、傍らのフシギソウと共にゆっくりと目を開く。
 
 眼下にあるはタマムシシティ。そこはタマムシデパートやマンションが存在感を放つ、栄えある街。

「……ついに来たな。フシギソウ」

「フシ!」

 ポケモントレーナーの最初の扉を開く、その時に背を押してくれた人がこの街で待っている。  

 レッドの心には熱い感情が二つ渦を巻いて高揚している。新しいバトルへの期待。そして大切な人に自分の成長を見せたい。

 戦力も心も整えた。あとはあの人に恥ずかしくないようなバトルをし、仲間たちと勝利を手にするだけ。

(あの人が待っている場所は、きっと……!)

 タケシ、カスミ、マチス。彼らとの熱い戦いの経験がレッドに囁いている。レッドは叫び出したい気持ちを懸命におさえながら、フシギソウと共に彼女が待つ場所へと向かって走りだした。

 タマムシシティジム。そこは草木に囲まれ、このジムがどのタイプを司るのか外観から物語っていた。

 レッドとフシギソウはそれを前にしてごくりとつばを飲む。

「……」

 レッドは扉のドアノブを掴む。逡巡する理由はない。この先であの人が……!

「あれ、挑戦者の方? エリカさんいないよー」

 と、がっくりとバランスを崩しドアに頭をぶつけた。なんて軽い声色で確信を持つことになろうとは……。

「なにやってんの?」

 レッドに話しかけたジム所属のミニスカートの少女はレッドの行動を訝しげに見つめる。

「……ええと。ジムは今日お休みですか?」

「ちょっとジム戦だけ臨時休業なのよ。エリカさん、今ロケットゲームコーナーにどうしても外せない用事があるみたいで。あっこれ言っちゃいけないんだっけ? まいいや」

「ロケットゲームコーナー……?」

 レッドは不思議がった。ロケットゲームコーナーをレッドは知らないが、名前からしてどういうところかは想像できる。

 エリカがゲームコーナーに……彼女の外観からすれば、ちょっとミスマッチに過ぎはしないか。


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