過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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143:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/24(木) 23:50:21.95 ID:eB1pESsT0
 明くる日。

(ジム戦は休みか……)

「レッドさん、申し訳ありません……」

「そんな、むしろ当然だよ」

「そうですよー。ジムに来るのだって心配なのに」

 ミニスカートの少女がエリカをジト目で見る。ジムのスタッフ達の判断で、タマムシジムのジム戦はエリカの大事を取り今日も休みとなった。

 それでもなんとかエリカはスタッフに掛け合い、せめてトレーナーたちへの簡単な指導だけでもと譲らなかった。

 結局スタッフたちが折れたため、エリカはジムに残りレッドもそれを見守っている。

「今のタイミングを忘れないで。もう一度技を使ってみましょう」

「はい!」

 レッドよりも年下の少女が今エリカの指導を受けている。

「エリカさん! ちょっとお手本見せて」

「ええ、もちろん……」

 エリカが少女に変わり、ポケモンの前に立つ。すると……。

(エリカさん……?)

 レッドはすぐにエリカの異変に気づいた。エリカが声を出そうとした状態で呆然としたように固まっている。

「……は、はっぱカッター」

「わあ! エリカさん、ありがとう!」

 少女は自身のポケモンに駆け寄ってあやす。エリカのそばに寄ったレッドの顔はひどく心配そうだった。

「エリカさん、あなたは……」

「大丈夫です」

 エリカは振り向き、レッドへ微笑む。

「大丈夫」

 そう言われてしまっては、レッドはエリカを見ているしかない。

「エリカさーん! モンスターボールの投げ方教えて!」

 また別の少女が、エリカに羨望の眼差しを向けながらポケモンの捕獲方法を乞う。既に街中にエリカの功績が知れ渡っていたから、新しくジムに来る子供が大勢いた。

「ええ。まず相手を弱らせたあと、ボールを握って……」

 エリカが少女からモンスターボールを受け取る。しかし、なんでもないはずの動作の中で、エリカはボールを落とした。

 彼女の手が、震えている。

「ご、ごめんさい。相手を弱らせた後に、ボールをこう握って投げます。ボールを当てる位置も気をつけて」

「はい!」

(……)
 
 レッドはその一部始終を見ていた。険しい顔になり、覚悟を決めた顔になる。

 エリカはジム戦の再開を明日にすることをジム関係者に告げ、レッドを伴い笑顔で帰路についた。


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