過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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153:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/26(土) 00:27:19.74 ID:ZPCws2+10



『これが、私の初めてのポケモン……!』

『ナゾ〜』

『私はエリカともうします。あなたとはいい関係を築きたいですわ』

『ナゾ?』

『ふふ、さあ共に頑張っていきましょう。これから一緒に。新しい世界に……』



 静寂と砂塵の先、光の中心だった場所に、2体のポケモンが倒れている。

 レッドとエリカがすぐに近づく。どちらも満身創痍、立てる状態ではないのがすぐわかった。だが……。

(こんな、満ち足りた顔が……)

 決して思い込みではない、2体のポケモンは最高の戦いができた喜びで、安らかな顔をしている。

 そして愛する主人に2体とも気づき、目を開けて鳴き声をもらす。

「よく頑張ったな、フシギソウ」

 レッドが抱えげ、回復を施す。

「! あっ……」

 フシギソウの蕾は閉じていた。あの時エリカには確かに開いたと思ったのだが……。

(いえ、開いたのでしょう。レッドさんの気持ちに応えて……)

「頑張りましたね、クサイハナ」

「ハナ……!」

 本来悪臭を放つはずのポケモン、しかし今は芳しく、花畑にいるかのような甘い匂いを放っている。それがクサイハナの今の気持ちを雄弁に物語っていた。

 エリカもクサイハナに回復を施す。

 熱い健闘。二人は相棒を誇りながら視線を交わす。

「エリカさん。ポケモンが戦いの経験で強くなるように、ポケモントレーナーもポケモントレーナーとの戦いで強くなれる。俺達はどこまでも、無限に高みへ行ける」

 レッドがエリカへ手を差し伸べる。

「生きとし生けるもの全てが持つ可能性……。私は、こんなに当然で大切なことを、一時の敗北で忘れてしまっていたのですね……」

 エリカがレッドの手を両手で包み、胸元に抱き寄せて、瞳から頬を伝った雫を落とす。

「俺の中の弱さを認め、一歩進む勇気を与えてくれたのはエリカさんだ。そのおかげで、俺はここまでこれた」

「レッドさん……!」


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