過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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(SSL)
[saga]
2014/07/26(土) 00:27:19.74 ID:ZPCws2+10
『これが、私の初めてのポケモン……!』
『ナゾ〜』
『私はエリカともうします。あなたとはいい関係を築きたいですわ』
『ナゾ?』
『ふふ、さあ共に頑張っていきましょう。これから一緒に。新しい世界に……』
静寂と砂塵の先、光の中心だった場所に、2体のポケモンが倒れている。
レッドとエリカがすぐに近づく。どちらも満身創痍、立てる状態ではないのがすぐわかった。だが……。
(こんな、満ち足りた顔が……)
決して思い込みではない、2体のポケモンは最高の戦いができた喜びで、安らかな顔をしている。
そして愛する主人に2体とも気づき、目を開けて鳴き声をもらす。
「よく頑張ったな、フシギソウ」
レッドが抱えげ、回復を施す。
「! あっ……」
フシギソウの蕾は閉じていた。あの時エリカには確かに開いたと思ったのだが……。
(いえ、開いたのでしょう。レッドさんの気持ちに応えて……)
「頑張りましたね、クサイハナ」
「ハナ……!」
本来悪臭を放つはずのポケモン、しかし今は芳しく、花畑にいるかのような甘い匂いを放っている。それがクサイハナの今の気持ちを雄弁に物語っていた。
エリカもクサイハナに回復を施す。
熱い健闘。二人は相棒を誇りながら視線を交わす。
「エリカさん。ポケモンが戦いの経験で強くなるように、ポケモントレーナーもポケモントレーナーとの戦いで強くなれる。俺達はどこまでも、無限に高みへ行ける」
レッドがエリカへ手を差し伸べる。
「生きとし生けるもの全てが持つ可能性……。私は、こんなに当然で大切なことを、一時の敗北で忘れてしまっていたのですね……」
エリカがレッドの手を両手で包み、胸元に抱き寄せて、瞳から頬を伝った雫を落とす。
「俺の中の弱さを認め、一歩進む勇気を与えてくれたのはエリカさんだ。そのおかげで、俺はここまでこれた」
「レッドさん……!」
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