過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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223:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/01(金) 23:34:06.15 ID:LFnNHA500
(そういうことか……)

 レッドはエリカの考えを理解した。

「それじゃあナツメさん、俺と今度ジム戦してください。全力でポケモンを操る元気な姿を見せるのが、俺にとっては最大の償いになります」

「……馬鹿。いえ、本当の馬鹿は、私ね……。わかったわ、レッド。ありがとう……」

 今までで一番の綺麗なナツメの微笑みをレッドは見た気がした。レッドもつられて微笑む。

「……レッドさん、私からは最後に一言」

「は、はい!」

 急にまたエリカの語気が強くなった。レッドは思わず背筋を伸ばす。

 しかし、エリカは目を閉じてレッドの手を両手で包むように握り、自身の顔まで持ってきて鼻と唇を軽くレッドの手の甲につける。

「……どんなときでも、無事に帰ってきて。元気でいてください。あなたの体は、決して一人のものではないのです」

「……はい……!」

「……はい、終わり。レッドさん。それじゃあ私はタマムシジムに戻ります。いつまでも空けてはいられないですから」

「はい、また」

「ええ、また。……ナツメさん」

 エリカは去り際、ナツメの耳元でつぶやく。

「譲る気は毛頭ありませんので」

「!?」

 ナツメが驚いて振り返るが、エリカは気にした風もなく病室を去って行った。

「どうしたのナツメ」

「……いえ、なんでもないわ。レッド、私の謹慎が終わる頃には、体治っているといいわね」

「もちろん! ナツメさんとのバトル、楽しみですから!」

「ええ! 私も、とっても楽しみ……」

 レッドとナツメが二人で笑いあう。ナツメは一つ、心に決めた事がある。

(楽しい未来は、予測できないからこそ、ね)

 数週間後、レッドは退院と共に向かった先は……。


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