過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2014/08/01(金) 23:34:06.15 ID:LFnNHA500
(そういうことか……)
レッドはエリカの考えを理解した。
「それじゃあナツメさん、俺と今度ジム戦してください。全力でポケモンを操る元気な姿を見せるのが、俺にとっては最大の償いになります」
「……馬鹿。いえ、本当の馬鹿は、私ね……。わかったわ、レッド。ありがとう……」
今までで一番の綺麗なナツメの微笑みをレッドは見た気がした。レッドもつられて微笑む。
「……レッドさん、私からは最後に一言」
「は、はい!」
急にまたエリカの語気が強くなった。レッドは思わず背筋を伸ばす。
しかし、エリカは目を閉じてレッドの手を両手で包むように握り、自身の顔まで持ってきて鼻と唇を軽くレッドの手の甲につける。
「……どんなときでも、無事に帰ってきて。元気でいてください。あなたの体は、決して一人のものではないのです」
「……はい……!」
「……はい、終わり。レッドさん。それじゃあ私はタマムシジムに戻ります。いつまでも空けてはいられないですから」
「はい、また」
「ええ、また。……ナツメさん」
エリカは去り際、ナツメの耳元でつぶやく。
「譲る気は毛頭ありませんので」
「!?」
ナツメが驚いて振り返るが、エリカは気にした風もなく病室を去って行った。
「どうしたのナツメ」
「……いえ、なんでもないわ。レッド、私の謹慎が終わる頃には、体治っているといいわね」
「もちろん! ナツメさんとのバトル、楽しみですから!」
「ええ! 私も、とっても楽しみ……」
レッドとナツメが二人で笑いあう。ナツメは一つ、心に決めた事がある。
(楽しい未来は、予測できないからこそ、ね)
数週間後、レッドは退院と共に向かった先は……。
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