過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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239:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/03(日) 00:42:54.20 ID:cwKbWwke0
「お主、動かん方がいい」

「!?」

 レッドは覆面の男に言われ初めて気づいた。レッドの背後にポケモンの気配がある。

「ドガア……」

(ドガース!? いつのまに!?)

「ポケモンを出して拙者達の邪魔をするのはやめてもらおう。さあ、荷物を全て出した後は両手を上げて跪くのだ」

「くそっ!」
  
 レッドが見ているしかないなか、パンクルックの男たちは持ち物を覆面の二人に回収され、今度は手足を縛られた上目隠しをされた。

「よし、後はいつも通りに」

「うん、行けズバット!」

 少女がズバットに命令すると、ズバットがサイクリングロードの地面すれすれを攻撃した。レッドが注意深く見ると、細い紐のような物が地面に落ちている。

(あれは……ワイヤー? 地面に張られていたのか?……!)

 レッドは自分が海に投げ出された時の事を思い出した。確かあの時、自転車が地面に張られたワイヤーで……。

「終わったよ、ちちうえ」

「うむ。少年も気づいたようだな。ドガース、戻れ」

 レッドの後ろにいたドガースが覆面の男のモンスターボールに戻る。 

「あのワイヤーは、彼らが張っていたんですが?」

 レッドはもうポケモンを出す気はなかったが、覆面の者達を見る眼は険しい。

「そうだ。奴らはこのサイクリングロードを根城にする暴走族。ふっ、暴走するだけならまだしも奴らは、コースにワイヤーを張って利用者が飛び上がるのを面白がっている上、けが人が出ても通報せずに荷物を強奪する始末。少年だって、拙者達がいなければ命が危なかっただろう」

「……そのことについては、感謝します。彼らが悪い人だとういうのも。しかしそれは、ジュンサーさん達の役割では?」

「ジュンサーなんて!」

 覆面の少女が叫ぶ。覆面の男はすぐに少女をいさめる。

「よせ。少年の言う事もわかる。だが、現状ジュンサー達の動きを待っていても被害が広がるばかり。現に彼らはこの霧を利用してワイヤーを張って獲物を待っていた。我らが海上から潜入して虚をつかねば、捕まえるのは難しかっただろう」

「……確かに。彼らはこれから?」

「船に乗せてセキチクシティに運ぶ。その後はこいつらの悪事の証拠をまとめて一緒にジュンサー達の元に引き渡す。匿名でな」

 覆面の者達が慣れた様子で男たちをポケモンで船に運んでいく。

「さて、少年。ここから自転車で下に降りていけばセキチクシティに行けるが、どうする?」

「……俺も、乗せてくだい」

「? なんで乗るんだ?」

 少女が不思議そうに言ったが、男は特に気にした様子はなかった。

「いいだろう」

 パンクルックの男二人が増え、また船が海上に出る。レッドは船に揺られながら、思案にふけっていた。



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