過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/07/13(日) 22:25:35.37 ID:ABky3MGk0
「ポケモンとの付き合い方は様々だよ。セキエイ高原を目指す人は多いだろうが、中にはポケモンをペットとする人、ポケモン研究者や、土木作業や治水工事、ポケモンのケアや健康を扱うポケモンブリーダーという職業もある」

 タケシはロコンから手を離し、レッドに向かい合った。

「人それぞれのポケモンとの付き合い方がある中で、どうして君はポケモントレーナーになったんだい?」

 タケシは努めて優しく言った。別に糾弾しているわけじゃない。このフシギダネと良い関係を築いている少年がどうしてバトルの道に行ったのか、純粋な興味だった。

「……勝ちたいから、かな」

「勝ちたいから?」

「うん。ポケモンバトルってさ、僕だけじゃなにもできないじゃない。でもポケモンだけがいても、なにもできない。ポケモンがいて、トレーナーがいて、二つの心が通じあって初めて、勝てる」

「……」

「一人だけじゃできないことでも、ポケモンと力を合わせれば。仲間と一緒に勝ちたいから、喜びを分かち合いたいから、バトルで勝ちたいから、かな」

 少年の表情はキラキラしていた。タケシは憧憬にも似た感情でそれを眺める。

「ごめん、ちょっとうまく言えないかも」

「……いいさ。立派だな、君は」


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