過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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255:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/03(日) 23:16:53.76 ID:cwKbWwke0
 バタフリーは煙幕内に突入した。そして、煙幕の中ガスが噴出している球体の影を見つける。

 しびれごなで動きが鈍ったマタドガス、この距離ならば外さない。

「しとめたぞ! サイケこうせん!」

「マタドガス、じばく!」

「なっ!?」

 煙幕が爆風によって吹き飛ばされ、後には力尽きたマタドガスとバタフリーが残る。

 あのままならばバタフリーのサイケこうせんがマタドガスを仕留めていた。そう判断したキョウの対応は早かった。

「非情だと思うか? 小童」

「勝つために次の仲間へと繋げる。あなたのマタドガスの反応は早かった。勝利への意思統一と自らの犠牲を厭わない気概がなければできないことだ。お見事です」

「……小童。いい戦いをしてきたようだな」

 互いにポケモンを戻す。キョウは笑っている自分に気づいた。

(年甲斐もない。こんな小童の言い分に熱くなり、あまつさえこのポケモンバトルを楽しいと感じている)

「小童。お主の目指す終着点はなんだ?」

「ありません。仲間達と遙かなる高みに行くのみ!」

(ポケモンリーグ優勝でもなく、ポケモンマスターでもなく、即答でそれか)

「ちちうえー! 頑張れー!!」

 キョウは観客席で叫ぶアンズを見た。

(アンズのポケモントレーナーとしての腕、申し分ない。拙者の後を充分に告げるだろう。その後拙者は、今までポケモントレーナーとして過ごしてきた全てを次代に伝えようと思っていたが……)

 キョウの心に、忘れかけていた火が再び灯る。

(高みか……)

「行くぞ小童! これが最後のポケモン! 行け! ベトベトン!」

「行け! フシギバナ!」

 フシギバナは毒タイプを持ち、ベトベトンは草に耐性がある。残る戦いの選択肢は真っ向勝負の肉弾戦。

「フシギバナ、突進!」

「ベトベトン、かたくなる!」

 フシギバナの巨体を生かした突進。ベトベトンもその体を硬質化させて迎え撃つ。

「すてみタックル!」

「ものまね!」

 フシギバナとベトベトンの額が真っ向からぶち当たり空気が振動する。もう、レッドとキョウの命令は必要なかった。

「フシギバナ! 一歩も引くなー!!」

「ベトベトン! そこだ! 行けえ! ぶっとばせぇ!!」

 キョウが拳を振り乱し叱咤激励すると、ベトベトンが応えるように硬質化したヘドロで拳を作りフシギバナを殴る。

「ち、ちちうえ……?」

「あらあら……」

 父親の変貌に戸惑うアンズと、顎に手を当てて微笑むナツメ。



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