過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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414:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/21(日) 18:27:28.95 ID:Z03kpI3k0
 グリーンがボールを放る。モンスターボールが開くと共に爆炎の竜巻が巻き起こり、竜巻の中心から一対(つい)の翼が爆炎を薙ぎ払うように回転し、現れた龍は大きく羽を広げると同時に顎を開き雄叫びを上げた。

 その姿が現れた瞬間、ワタル等グリーンの実力を知る一部の者達が戦慄した。

 控室で戦況を見守るワタルはグリーンが見せてきた実力を思い返す。

(グリーンの5体までを突破することは俺もできた。しかし、リザードンは違う)

 強き者はまた強き者の実力を知る。その例に漏れず、バタフリーとレッドはリザードンの並々ならぬパワーを見ただけで悟った。

 控室にはワタル他、四天王達が揃っている。

「オーキドの孫の勝ちだね」

「どうして?」

 キクコの呟きに、カンナが疑問の声を上げる。ワタルが解説した。

「グリーン君の手持ちは、言うなればリザードンの1トップ型。リザードンを活かすための戦術であり、リザードンの苦手なタイプを他の5体で弱らせ、あとはリザードンが圧倒的な力で一掃する。相手は満身創痍になった状態で、チャンピオンの最大の切り札を相手にしなければならない。グリーン君の試合が交代合戦になるのはグリーン君自身がそう仕向けているんだ。戦いの中でレッド君の全ての手持ちを把握し、そして今回はギャラドスに狙いを定めた」


「リザードン」

 グリーンが天へ片手を伸ばして名を呼ぶと同時に、リザードンの牙の隙間から炎が漏れる。

 レッドの思考が駆け出す。

(交代は無意味。バタフリーに相手を倒すだけの決定打はない。ならば!)

「バタフリー、どくどく!!」

「かえんほうしゃ」

 グリーンが伸ばした腕を目標物へ向けると同時に、リザードンが起こした大炎がバタフリーを飲み込んだ。

「……よくやったぞ、バタフリー」

 レッドが倒れ伏したバタフリーへリターンレーザーを当てる。 

 バタフリーは恐怖しながらも、レッドの命令に忠実に従っていた。捨て駒にせざるを得なかった相棒に対してレッドは涙をこらえて、グリーンへ戦意を向ける。

「行け。ギャラドス!!」

 ギャラドスがリザードンに対峙するのと同時に、今大会最大の歓声が鳴り響いた。リザードンとギャラドスの一戦が最後の分岐点であることを、この戦いを見つめる全ての人間がわかっている。

「足掻けよ最後まで」

 グリーンの言葉はそれだけだ。

 ギャラドスはサンダースの一撃を耐えたのが奇跡だった。そしてギャラドスの目に宿る闘志は、まだ水技を繰り出す余力があることを示している。

「行くぞギャラドス! ハイドロポンプ!」

「大文字!!」

 ハイドロポンプと大文字の激突。ここでもまたリザードンは規格外の強さを示した。

「ハイドロポンプが……蒸発している!?」

 ギャラドスが放った水流は大文字によって相殺され、リザードンとギャラドスの間に大量の水蒸気を発生させた。その霧を切り裂くように、リザードンがギャラドスへ突撃する。

「切り裂く!」

「かみつく!」

 ギャラドスのかみつきを食らいながらもリザードンが構わずその爪でギャラドスを襲う。ギャラドスが倒れ伏すと同時にレッドの最後の望みが絶たれた。


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