過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/07/21(月) 00:44:40.71 ID:r4w0sd270
 シオンタウン。そこはイワヤマトンネルの先にひっそりと軒を連ねる小さな町。

 目を引くのはカントー地方全体を見ても一二を争うであろう高さを誇る、ポケモンタワー。

(タケシさんと特訓したり、カスミを自転車の後ろに乗せて遠乗りに行ったりで、妙に時間がかかってしまった)

 イワヤマトンネルを悪戦苦闘の末に突破したレッドは、自転車を降りてこの小さな町が放つ異様な雰囲気に戸惑っていた。

(なんだか、寂しげなところだな……。とりあえず、今日はこの街で一泊しよう)

「おや、旅の方かい」

「!?」

 静かな町で不意に穏やかな声で話しかけられたために、レッドは珍しく体をびくつかせた。

 しかし見れば、話しかけてきたのはこれまた声と同じく穏やかそうな御老人。レッドは向き直り、

「はい、マサラタウンから来たレッドと言います」

「おや、マサラ……つい先日もマサラタウンからポケモントレーナーがこの町に訪れたよ」

「え」

 マサラタウンのポケモントレーナー。レッドの頭に浮かぶのは一人しかいない。

「その様子だと、君のお知り合いかな」

「ええ多分。そのポケモントレーナーの名前って……?」

「すまんねえ。その子は名乗らずにさっさと町を出て行ってしまったんだ。お礼を言いたかったんじゃが……」

「その子って俺と同じぐらいの年頃で、茶髪でツンツンとした髪の子ではありませんでしたか?」

「おおそうじゃ。その子の名前を教えてくれんか?」

「……グリーンです。オーキド博士の孫の……」

 レッドは努めて落ち着いていった。レッドの心には、まだグリーンへの複雑な感情が残っている。


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