28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 18:17:07.55 ID:TmyX6+Eao
「……なんの用だい?」
冷たく告げる。
男の声は笑いの気配を混ぜて「さすがヘレナ、驚かないんだね」と言った。
「死人に口はない。ならこれは魔法の悪戯だ。驚くのも馬鹿らしい」
「一流の魔女は違うなあ」
「消えな。あんたに用はないんだ」
「用があるのは可愛い孫にだけ?」
のほほんとしていちいちムカつくもの言いはいかにもあの馬鹿夫らしかった。
だがこれは魔法が生み出した幻聴であって死人が実際に語りかけているわけではないはずなのだ。
だから余計に腹が立った。
「あの人の声で遊ぶなら殺すよ。たとえ魔法という形のないものでもね」
「怖いね」
「分かったらさっさと失せろ」
言って歩みを再開する。
だが小さな光の道はその先には続いておらず闇が立ちはだかっていた。
振り返るとそこにも闇。
ヘレナの周りだけがいくつかの光に囲まれてぼんやりと明るかった。
55Res/35.67 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。