過去ログ - 朝比奈「白雪姫って、知ってます?」キョン(困ったらキスをしろってことだな)
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/15(火) 03:21:44.23 ID:dqKqYLc70
教室の教壇には朝倉涼子がいた。

「遅いよ」

朝倉涼子が俺に笑いかけていた。

清潔そうなまっすぐの髪を揺らして、朝倉は教壇から降りた。

教室の中程に進んで歩みを止め、朝倉は笑顔をそのままに誘うように手を振った。

「入ったら?」

引き戸に手をかけた状態で止まっていた俺は、その動きに誘われるように朝倉に近寄る。

「お前か……」

「そ。意外でしょ」

くったくなく笑う朝倉。

「何の用だ?」

わざとぶっきらぼうに訊く。くつくつと笑い声を立てながら朝倉は、

「用があることは確かなんだけどね。ちょっと訊きたいことがあるの」

俺の真正面に朝倉の白い顔があった。

「人間はさあ、よく『やらなくて後悔するよりも、やって後悔するほうがいい』って言うよね。これ、どう思う?」

「よく言うかどうかは知らないが、言葉通りの意味だろうよ」

「じゃあさあ、たとえ話なんだけど、現状を維持するままではジリ貧になることは解ってるんだけど、
どうすれば良い方向に向かうことが出来るのか解らないとき。あなたならどうする?」

「なんだそりゃ、日本の経済の話か?」

俺の質問返しを朝倉は変わらない笑顔で無視した。

「とりあえず何でもいいから変えてみようと思うんじゃない。どうせ今のままでは何も変わらないんだし」

「まあ、そういうこともあるかもしれん」

「でしょ?」

手を後ろで組んで、朝倉は身体をわずかに傾けた。

「でもね、上の方にいる人は頭が固くて、急な変化にはついていけないの。でも現場はそうもしてられない。
手をつかねていたらどんどん良くないことになりそうだから。
だったらもう現場の独断で強硬に変革を進めちゃってもいいわよね?」


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