過去ログ - 先輩「そこから見えるのは、どんな景色ですか?」
1- 20
37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/17(木) 00:03:11.90 ID:5EAW9f05o

 ひなた先輩は、二年生の多い文芸部員たちの中で唯一の最上級生で、なにかと俺たち後輩を気にかけてくれていた。
 俺や大澤の相談にも乗ってくれたし、入部した当初は何も書いたことなんてなかった「みさと」の質問にも熱心に答えた。

 たぶん根が良い人なんだろうと思う。
 そのひなた先輩も、もう「部員」というわけにはいかない。
 
 俺は少し考えてから返信した。

「了解です。
 いろいろと書こうとはしているんですが、どうも上手くいきません。
 先輩は勉強の合間に何かを書いたりしているんですか?」
 
 きっと何も書いていないんじゃないかと思う。
 それでも、俺と彼女の間に部活以外の話題なんてなかった。
 あるいは、大澤のことを何か言ってくるかもしれないと、思ったりもしたけど。

 数分もしないうちに、携帯が鳴る。

「わたしは封印してるから(クマ)
 もしなにか書いたら読ませてね(クマクマ)」

「機会があれば」

 とだけ返信して、携帯を机に置く。俺はふたたびノートに向かった。
 さっきまで頭の中で渦巻いていた、形にしようと思っていた場面は、今はとっかかりすら思い出せなくなってしまった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
451Res/377.85 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice