過去ログ - 先輩「そこから見えるのは、どんな景色ですか?」
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39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/17(木) 00:05:45.12 ID:5EAW9f05o

「他のものも、散らかしたままにせずに、ちゃんと片付けろよ」

 顧問はそこまで言い切ると、ちょっと気だるげに溜息をついて部室を去っていった。
 怒って出て行ったようにも見えたし、叱ったあとの気まずさに耐えかねたようにも見えた。

 残された俺達は重い沈黙の中に取り残される。
 誰も口を開こうとはしない。ひなた先輩さえも。

 少ししてから、「みさと」が立ち上がり、ホワイトボードに記された勝敗表を黙ったまま消しはじめた。
「あかね」はむっつりとした顔で俯いている。不機嫌そうな。悔しそうな。よくわからないけれど。

 それでも彼女もまた立ち上がり、部室のあちこちに散らばっていたものを片付け始めた。
 出しっぱなしになっていた部誌のバックナンバーを「みさと」がまとめ始める。
「あかね」は、いつのまにか持ち込まれ、机の上に並べられていた、化石を模したカプセルトイをかき集めた。

「あかね」が来てからこの場所に増えたものは、ひとつ残らず回収されて、彼女の鞄に詰め込まれた。

 まあ、そりゃあ、こうなるよな、と思いながら、俺は片付けを手伝おうとしたけど、

「座ってていいよ」と「みさと」が言った。

「散らかしたの、わたしたちだから」

 ……たしかに、俺は物を増やしてはいない。散らかしたままにもしていない。
 でも、たった一度とはいえリバーシに参加したのは事実だったし、散らかったものを片付けなかったのも事実だ。



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