過去ログ - 上条「ようこそ、クソッタレな日常へ」
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24: ◆i7biGkIsHE[saga]
2014/07/18(金) 00:04:59.67 ID:pfXAx2oK0
 朝食を済ませると、三人で他愛のない会話に興じる。
 とは言っても話題となるようなことなど殆どないので、話の流れはいつもと変わらぬ方向に進んでいった。


「ですからそんな安易に、あの男を信用するのは危険だと言ってますの!」


「でも私には上条さんがそこまで酷い人には見えなくて……」


 この議論が何回目になるか御坂は覚えていない。
 初春の言う上条さんというのは、御坂達の人権も含めてここで全ての決定権を握っている男――上条当麻のことだ。
 年は御坂より一つ上で、本来の学年は二つ上の高校一年生になるらしい。
 本来のというのは上条が御坂達と同じく学校に通っておらず、今のような生活を二年近く続けていると言っていた。
 だとすれば、あの男が今のような境遇に陥ったのは今の自分と同じくらいの年頃になるのだろうか?


 そんなどうでもいいことを思い浮かべる御坂を余所に、二人はどうせ決着がつかない話を続けている。
 御坂個人の意見としては白井の考えと凡そ同じだ。
 忘れてならないのは自分達が今いる場所が学園都市の暗部で、目の前にある情報だけを鵜呑みにすることはできない。
 そのことを御坂は取り返しのつかない形で嫌というほど学ばされていた。


 ただ初春の言うことも決して理解できないわけではなかった。
 普段の上条を見ていると温厚どころか、それを通り越して何処か間抜けな節すらある。
 もちろんその姿が自分達を油断させるための演技という可能性も十分にあり、それだけで上条の本質を窺い知ることはできないだろう。
 だが初めてここに来た時に上条から掛けられた言葉。
 簡単に信用してはいけないことは分かっている筈なのに、何故か御坂も上条のことを悪人だと思えずにいる。
 もしかしたら初春も自分も縋るものが何もないこの状況で、幻想のようなものを抱いているだけなのかもしれない。


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