10: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/07/19(土) 21:33:47.34 ID:ejWaZZVNo
〜☆
「この錠剤を持っておくのです」
「これは?」
なぎさの手のひらにあったのは、平らで円形の、白い個体物。
病院での生活で、似たようなものをたくさん飲んだ記憶が、一瞬だけ甦る。
「痛覚遮断、戦闘のための気分の高揚。肉体と精神をより緊密に連携させる。
今のあなたが十分に戦うにはこれが必要です」
「そう、わかったわ」
黙ってポケットにしまう。
戦闘前にこれを飲もう。
それ以外は考えない。
必要だから支給された以上、あれこれその上に私の思考を重ねる必要はない。
「……純粋な興味なのですけど、どうして、ほむらは戦うのですか?」
それまで絶えず機械的に振る舞っていたなぎさが、不意に人間らしく私的な問いを発した。
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