101: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/08/22(金) 15:00:10.19 ID:f9f35fI7o
「そうね、私も貴女と一緒にいたい。そう思うわ。
……だけどね、まどか。私とあなたの一緒にいたいは多分、別の物よ」
右手を弾くように動かして、目に見えないまどかが与えてくれる温もりを払いのける。
迎えに来た彼女を私が裂いたときみたいに、極彩色の糸のように暗黒が私を中心に広がっていく。
まどかはあのときと変わらない、唖然とした顔をしていた。
「まどか。私は諦めない。私が求めてる貴女との日々は、これじゃないから。
何度でも、何度でもまどかを貶めて、必ず貴女を手にしてみせる。私は、貴女が幸せになれる世界を望むわ」
まどかの支配下であるこの異空間で、今このまま彼女に干渉することはできない。
これはあくまでも、大掛かりな撤退に過ぎない。
私にもまどかにもなんら物理的な影響は残さない。
ただそれでも、黒が私を覆い尽くすさなかに見えた、まどかのとても悲しそうな顔のせいで、
胸が凄く苦しくなるのは、もうどうしようもないことだった。
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