過去ログ - ほむら「わたし」
1- 20
15: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/07/19(土) 21:43:29.16 ID:ejWaZZVNo

 でも私に、自分の命を誰かのために賭けるなんてことができるんだろうか。

 戦う前から、こんなに怖くてたまらないのに。

 痛いのも、辛いのも、苦しいのも、想像するだけで嫌でたまらなかった。

 自分が何か願い事を一つ見つけられるとはとても思えない。

 けれど、魔法少女という、私が強くなれる千載一遇のチャンスも失いたくない。
いざというときのためにとっておきたい。きっと自力じゃ強くなれないから。

 なんて弱いんだろう、私って。

 情けない。つまらない。醜い。

「どうしたの、ほむら? もしかして、胸が苦しかったりする」

「いいえ、そんなことないです。退院してから、体調はとってもいいから……。
 だからなんでもないんです。大丈夫ですから」

 努めてにこやかな笑顔を、こちらに首だけ振り向いた、美樹さんに返す。

 穏やかな内心を表面上装う。

 けれど本当の私は、ぶらぶら宙に揺れる美樹さんの右脚を見ながら、
この貧弱な自らの心臓を握りつぶしたくなる、そんな暗い衝動に駆られていた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
110Res/69.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice