15: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/07/19(土) 21:43:29.16 ID:ejWaZZVNo
でも私に、自分の命を誰かのために賭けるなんてことができるんだろうか。
戦う前から、こんなに怖くてたまらないのに。
痛いのも、辛いのも、苦しいのも、想像するだけで嫌でたまらなかった。
自分が何か願い事を一つ見つけられるとはとても思えない。
けれど、魔法少女という、私が強くなれる千載一遇のチャンスも失いたくない。
いざというときのためにとっておきたい。きっと自力じゃ強くなれないから。
なんて弱いんだろう、私って。
情けない。つまらない。醜い。
「どうしたの、ほむら? もしかして、胸が苦しかったりする」
「いいえ、そんなことないです。退院してから、体調はとってもいいから……。
だからなんでもないんです。大丈夫ですから」
努めてにこやかな笑顔を、こちらに首だけ振り向いた、美樹さんに返す。
穏やかな内心を表面上装う。
けれど本当の私は、ぶらぶら宙に揺れる美樹さんの右脚を見ながら、
この貧弱な自らの心臓を握りつぶしたくなる、そんな暗い衝動に駆られていた。
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