過去ログ - ハルトマン「渚にて」
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62: ◆os0EtCPvIM[saga]
2014/09/17(水) 22:15:57.24 ID:wnEw/fCtO
「っ……トゥルーデ!」

「み……見られてしまった、な」

懐中電灯の明かりの中に映し出されたトゥルーデの体を見て、私の心臓がひときわ大きく跳ねた。
以下略



63: ◆os0EtCPvIM[saga]
2014/09/17(水) 22:18:05.10 ID:wnEw/fCtO
「私は平気だったのに……どうしてトゥルーデだけ……!」

「……構わん……お前が無事で、なにより……だ」

「え……構わんって、どういうこと?」
以下略



64: ◆os0EtCPvIM[saga]
2014/09/17(水) 22:18:38.68 ID:wnEw/fCtO
「泣くんじゃない……ハルトマン」

不意にトゥルーデが口を開いた。

「私たちはウィッチだ……いつかは、こうなる運命だった……」
以下略



65: ◆os0EtCPvIM[saga]
2014/09/17(水) 22:19:25.23 ID:wnEw/fCtO
「……いいんだ。もう、私は、助からない……自分が……一番分かってる」

トゥルーデが弱音を吐くたびに、私の中の『何か』はふつふつと沸き上がる。

「っ……この! こんな火傷くらいで死ぬほど弱い女じゃないくせに! 私ばっか助かって、トゥルーデだけ先にいなくなるなんて、許さないからな!」
以下略



66: ◆os0EtCPvIM[saga]
2014/09/17(水) 22:19:55.89 ID:wnEw/fCtO
「……そう。トゥルーデは私に『助けてくれなくていい』って言うんだ?」

「ああ……薬にも限りが……あるしな。私なんかに使うのは……」

「へえ。でもさ、私はトゥルーデの言うことなんてまともに聞かないあまのじゃくなんだよ。そんなに『助けるな』って言われたら……」
以下略



67: ◆os0EtCPvIM[saga]
2014/09/17(水) 22:21:02.91 ID:wnEw/fCtO
……とはいえ、今の状況は最悪に近い。

まず、トゥルーデの容態がかなり酷い。
特に右半身は熱傷のレベルが『3度』まで到達している。これは筋肉や神経までも熱を浴びて血が通わなくなったせいで、皮膚が白くなるほどだ。こうなると皮膚の再生には期待できない。
だから皮膚移植をしないといけないんだけど、もちろん今の私にはそんな技術も設備もないから、病院が落ち着いて手術が出来るようなるまで持たせるのが目標だ。
以下略



68: ◆os0EtCPvIM[saga]
2014/09/17(水) 22:21:49.52 ID:wnEw/fCtO
あと、ここには生きるのに必要な食料や水や薬なんかが用意されてるけど、水が全然足りない。
トゥルーデの体にはほとんど水分が残ってなくて、このままだと失血性ショックで命を落とす可能性がある。それを防ぐために、トゥルーデの体を常に保湿する必要がある。

そのために必要な水が、1週間持たせるとすると、大体200リットル。
ここに備えてある水が、50リットル。
以下略



69: ◆os0EtCPvIM[saga]
2014/09/17(水) 22:34:05.05 ID:wnEw/fCtO
今回はここまでです
火傷の処置はWikipediaとかで調べただけなんでかなりガバガバです


70: ◆os0EtCPvIM[saga]
2014/09/17(水) 22:47:01.89 ID:wnEw/fCtO
>>60

小説『火星年代記』とかオススメ
人類が火星に移住を始めてから衰退するまでの年代記をところどころ切り取った短編集
俺は『オフ・シーズン』『沈黙の町』『優しく雨ぞ降りしきる』の3つが大好き
以下略



71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/09/18(木) 00:05:04.78 ID:KDe8bECY0


基地にいるのはカルスラ組だけなのかな?
火星年代記とか面白そうだから読んでみるよ


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