43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 20:08:07.42 ID:SluoaBc3o
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彼は卒業式には出なかった。
惜しむべき学生生活も振り返るべき思い出も特にない。
卒業は彼にとっては記念するようなものではなくて、
カリキュラムをどうにか消化してきたことを証明してくれるだけのものだった。
卒業証明書と必要のない粗品を受け取るためだけに彼は学校へ赴いて、
それから彼はまっすぐいつもの場所へやって来た。
そしてベンチの右半分に腰掛けて、鞄から取り出した文庫本を開いた。
スーツはちゃんと着込んでいた。
約束は何もしていない。
ただ、来てくれるんじゃないかな、とそう思った。
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