過去ログ - とある幻想の一撃男(とある×ワンパンマン)
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/03(日) 05:19:19.75 ID:g4FKKuxko
「捕まえたぜ、魔術師……!!」
「それは、こちらの台詞です」

 ピンと、空気が一瞬にして張り詰めた。周囲から人が払われた事もあって辺りは静寂に包まれている。
 しかし、それ以上の“何か”が二人の間には渦巻いていた。

 いや、張り詰めていたのは空気だけではない。物理的に、二人の間をワイヤーが張り巡らされており、懐に入り込んだ上条は例えるならば蜘蛛の餌である。
 だがそんな事は関係ない。彼に出来る事は真っ直ぐ行ってぶっ飛ばす事だけなのだから。しかし、その愚直な動きだけで数多の敵を屠ってきた。
 その戦いぶりから、学園都市最強を冠する超能力者よりも上条に対して喧嘩を売りに行く不良もいたりいなかったりするらしい。
 曰く、第三位を買い物帰りの片手間に往なし、第七位とは死闘の果てに親友となったらしい。
 そんな彼を打倒することで名を挙げようとした不良達は数多く居るが、その悉くが彼の拳の前に倒れた。

 閑話休題。
 さて、相対した二人はどちらが先に動くのか。いや、実の所既に動いているのではないか。インデックスには二人の動きが見切れる筈がないが、固唾を呑んで見守っていた。

 インデックスが見える範囲で先に動いたのは神裂だった。本気を出すとは言ったものの不殺を貫く心算でいるらしく、彼女は鞘から刀身を抜き放つ事はない。
 それでも、彼女が充分本気である事はその殺意のような鋭い戦意から察する事が出来る。
 察する事が出来るからこそ、鞘に収まった刀の動きも見栄えがよくなるというものだ。どんなに速力を得ていようとも、まだその一振りは視認も出来れば反応も出来る。

 避けるのに、何の問題もありはしない。

「クッ……!!」

 神裂は本気の一振りがいとも容易く避けられた事に対して驚きを示しながらも歯噛みした。
 これ以上はいけない。これ以上の力を発揮するには、本気を通り越して全力にならなければならない。
 その全力は、相手を確殺せずにはいられないのだ。そんな事は神裂自身が認められなかった。
「お前、そんなに強い力を持っててさ、何でインデックスを追い回すような事にそんな力を使ってんだ?」
「ッ……!!」
「詰まんない顔してんぜ、お前。せっかく鍛えた力を、何下らねぇ事に使ってんだよ。もっとさ、何かあるだろ。なんつーか、ほら、魔術師って普段何してっか知らねえけど、多分なんかあるだろ」
 鞘の嵐を丁寧にすり抜けながら、上条は懇々と言葉を重ねた。その一つ一つが形を持たない刃物ののように、神裂の中にある何かへと突き刺さっていく。

 神裂は思う。
 ―――何も知らないくせに、偉そうな事を言うな!!


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