過去ログ - とある幻想の一撃男(とある×ワンパンマン)
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[saga]
2014/08/03(日) 05:09:44.63 ID:g4FKKuxko
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「あっちいいいいいい!!!!」
七月二十日。夏休み初日を迎えた今日、ツンツン頭の少年は茹だる暑さに言いようのない怒りに包まれていた。
エアコンも、扇風機も、それどこか冷蔵庫も! ありとあらゆる電化製品が駄目になっていた。
その原因は間違いなく前日の夜にあった雷が原因だろう。その心当たりがあるだけに、少年は怒髪天をつく勢いで憤慨していた。主にだらしのない電化製品達に対して。
エアコンや扇風機が駄目になったのは百歩譲って許すとして、冷蔵庫が駄目になったのは許せなかった。
温いお茶に、酸っぱい臭いを放つ野菜達。昨日買ったなま物は軒並み全滅していた。
残った食べられるものは非常食用に残していたカップめんやカップ焼きそばのみで、仕方がないのでいずれかを食べようとお湯を沸かそうとするも、IHヒーターもお陀仏していた。許すまじオール電化。
そんなこんなで外食しようと財布を捜しているうちにキャッシュカードを踏み砕き、再発行には一週間。
しょんぼりしながら暑さに耐えるべく二度寝しようと布団に入れば携帯電話が鳴り響き、「上条ちゃんは馬鹿だから補習です♪」と担任教師からのラブコールに辟易しながらも布団から這い出たのだった。
上条当麻は生まれつき不幸である。しかし、今となってはあまり気にしていない。
「はー。補習、補習か……仕方ねえ、布団干したら行くかなあ。っと、その前にコンビニでも行って飯買ってからにしよう」
補習と一言に言っても、ここ“学園都市”で行われる能力開発は通常の授業とは異なる部分が多々ある。
“能力開発”の為に錠剤メトセリンや粉薬エルブラーゼ等を使用するのは当たり前で、そうした薬品投与がある以上空腹で学校に向かうのは聊か拙いだろう。
一先ず手持ちの金で暫く乗り切ろうと財布を開くと、お札はなく、小銭は632円。
「……まあ、これだけあれば昼飯は食えるよな」
カップめんもこんな時の為にたくさん用意していた訳で、一週間程度ならどうにでもなるだろう。
そんな持ち前のポジティブシンキングで夏休み開始早々の不幸と先行きの暗さを振り切った。気合を入れようと、財布をもったまま両手で頬を張ったら、ちゃんと閉じていなかった財布の小銭入れから小銭が舞い散った。
肩を落としていそいそと小銭を拾うと、布団を畳んで窓から見える青空を仰ぐ。照り付ける太陽がまぶしい。
「お空はこんなに青いのに、お先は真っ暗♪」
そんな太陽に負けぬよう努めて明るく振舞ってみても、目下の問題が多すぎて鬱になる。
こんな事なら昨日のうちに素直に買って来た食材で晩飯を作ればよかったと、流石の上条も後悔を露にしていた。
何故あの時に意味もなくファミレスに行こう等と言うトチ狂った発想になったのだろう。
何故意味もなくテンションをあげ、訳の分からないエスカルゴの激辛ラザニアなど注文してしまったのだろう。
何故あの時、絡まれている女子生徒から絡んでいる不良を守ろう等と思ってしまったのだろう。
素直に家に居れば、真夏の夜の逃走劇の果てに雷を落とされて辺り一帯が停電する事などなかっただろうに。
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