過去ログ - とある幻想の一撃男(とある×ワンパンマン)
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/03(日) 05:12:17.04 ID:g4FKKuxko
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「追われてた? 誰にだよ?」
「うん。本当は別のマンションに飛び移ろうとしたんだけどね、後ろから撃たれちゃって。それで君のベランダに引っかかってたんだ」

 学生鞄片手にのろのろと歩く上条の後ろを、インデックスと名乗った少女はとてとてと着いて来ていた。
 飯に釣られてホイホイと着いてくる辺り、ちょろそうなのに良く逃げられたな、などと上条は詮無き事を考える。
「まあ、アンタが自殺志願者じゃないってのは分かった。ていうか、逃げるんだったらこんなとこで呑気してて良いのか?」
「えっと、少し罠を張ってるから、暫くの間は大丈夫かも。三十分くらいだけど」
「そうか、そりゃ大変だな。それで、七階にある俺んちに引っかかっちまう位、執拗に追い掛け回したのは一体何処の誰なんだ?」
 上条の問いに対して、インデックスはどこか答えにくそうにくぐもった表情を浮かべると、意を決めたように口を開いた。

「魔術結社」

 ここは科学の街だ。あらゆるオカルトはオカルトのままにせず、解明するまで研究し尽くす。それでも取りこぼした一部のオカルトを、科学の徒は一体どう思うだろうか。
 或いはここで気味悪がられて突き放されても悪くはない。インデックスはそう思っていた。

「へー、魔術結社。あれか、魔術師って奴か。アンタは魔術ってのは使えるのか?」
「え……? えっと、私は魔力がないから出来ないかも」

 しかし、少年は何でもないように歩き続けていた。世間話のような気軽な話でもないのに、上条からは動揺の“ど”の字も見られない。
「じゃあさ、俺も魔術を使えたりする?」
「この街で開発を受けたら、使えないかも。だって魔術は才能のない人達が、それでも異能を求めて探求した結果だから……」
 超能力は“自分だけの現実”を駆使して場を歪める力で、魔術はある理に沿って場を整える事で境界を歪める力である。
 その二つは結果として異能を放っているという点では違いがないかもしれないが、決定的な違いに才能の有無がある。
 前者は何の準備もなしに、“思う事”と“考える事”の二つだけで異能を放っているのに対して、魔術は厳密な準備と時には何か犠牲を被らなければ異能を放つ事が出来ない。

 そしてその二つは相反する力である。
 その為、超能力者としての開発を受けてしまっては最後、魔術を扱おうとすれば拒絶反応を起こし、最悪の場合は死に至るのである。


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