過去ログ - 貴音「月光Cage」
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42: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 23:06:28.17 ID:gz+5vwBbo
――千家さんが運転する車中、窓の外を村の風景が次々と過ぎ去ってゆく。

白河「……ところで、Pさんはお一人でこの村へ?」

助手席に座る白河くんが後ろを向いて言った。
以下略



43: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 23:09:20.14 ID:gz+5vwBbo
P「……ところで、気になっていたんですが」

千家「なにがです?」

P「神宿りは霊能力者の一族だと聞きました。……本当じゃないですよね?」
以下略



44: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 23:12:09.59 ID:gz+5vwBbo
白河「少し村を歩きまわっただけでも神宿りを信望している村人が大半だと感じましたね」

千家「数は少ないが、神宿りの不思議な力について記述してある文献も見つかっているんだよ。最も古くが200年前、干ばつに陥った村に雨をもたらしたというのが始まりだね」

P「洞の鬼伝説というのもその一つですか?」
以下略



45: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 23:13:49.34 ID:gz+5vwBbo
千家「実際、この村には昔から珍しい風土病があるんです」

P「え? そうなんですか?」

千家「ええ、『鬼憑き病』と呼ばれています。突然に高熱を発症する病で、症状がひどいと気をおかしくしたり、死ぬ者も出るほどだとか。今のところ発症する原因、治療の方法すらもわかっていません。医者には治せない病気なんです」
以下略



46: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 23:14:58.55 ID:gz+5vwBbo
P「いや……50年ほど前までは、ってことは今ではそうじゃないんですね?」

千家「はい。その50年ほど前に、神宿りは鬼憑き病を治癒できるようになったんです」

朱袮「お医者さんでも治せない病気なのに?」
以下略



47: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 23:15:52.79 ID:gz+5vwBbo
朱袮「先生、トークに熱入りすぎですよ〜」

千家「おっと、すいませんね。つい……」

P「いえ、興味深い話でした」
以下略



48: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 23:18:08.40 ID:gz+5vwBbo
朱袮「きゃぁ!?」

一度ガタンと車が揺れ、朱袮さんの叫び声が車内に響く。

白河「朱袮? どうした?」
以下略



49: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 23:19:09.99 ID:gz+5vwBbo
車を降り、鉄製の門を抜けて屋敷の玄関へと歩く。屋敷は明治時代の華族の邸宅を思わせる洋館風の建物だった。

玄関の扉には中央部にステンドグラスの飾りが取り付けられていた。模様となっているのは満月を取り囲む花、だろうか?

千家さんが玄関横のチャイムを鳴らし、到着を知らせる。間もなく扉が開き、老年の男性が姿を現した。
以下略



50: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 23:20:14.45 ID:gz+5vwBbo
玄関から入ってすぐのところで廊下は左右と正面の三方へ分かれており、俺達は灰崎さんに案内されるまま右手方向の廊下を進む。

そうして連れて来られたのは、談話室、というのだろうか。ゆったりとした雰囲気の部屋だ。薄橙色のタイル床、そして一人がけのソファチェアが長方形の大きなテーブルを中心にいくつも並んでいる。

テーブルには綿製の白いクロスが引いてあり、真鍮の燭台が置かれていた。
以下略



51: ◆u7jijUkfI.[saga]
2014/08/03(日) 23:21:22.87 ID:gz+5vwBbo
P「十年前……? それって」

部屋の外、廊下から何やら騒々しい足音が聞こえ、言葉を途中で引っ込める。

その足音は扉のすぐ前で停止し、やがてその両開きの扉が勢い良く開け放たれた。
以下略



52: ◆u7jijUkfI.[sage]
2014/08/03(日) 23:23:32.70 ID:gz+5vwBbo
今日はここで中断します
ありがとうございました


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