過去ログ - 雪乃「LINE?」結衣「そう!みんなでやろうよ!」
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895: ◆itPh.0zEvU[saga]
2016/04/03(日) 20:52:53.08 ID:RpLwwWSU0
大志「ど、どうしたんすか?」

八幡「……いやなんでもない。お前すげえな、俺にそんな宣戦布告するなんて」

大志「せ、宣戦布告じゃないっす!マニュフェストっす!」

八幡「守られねえじゃねえか」

わざわざ難しい言葉を使ったのに意味が伝わらないとかそんなのあいつだけで充分だ。頼むからろくろを回し始めるなよ。

大志「マニュフェストってのは言葉間違えたかもしれないっすけど……まあ相当難しいことっすけどね……」

さっきの気迫は消え、下を向く大志の表情は暗い。

当然だ。こいつが小町と付き合える確率なんて低すぎる。俺が認めないという前に小町が認めなさそうだし、万が一……億が一に俺と小町が認めたとしても次は俺の両親が待ち構えているのだ。なにこの三重トラップ。挑む前から諦めたい。

それを大志も分かっているだろう。なのになぜ手を伸ばそうと思えるのだろうか。

八幡「……よく諦めないなお前」

大志「え?なんで諦めるんすか?」

俺の問いに大志が純粋な目をして問い返してくる。やめろその目気持ち悪い。

八幡「なんでもなにも、小町がお前に振り向くか分からんし、振り向いても俺と親が認めないだろ」

大志「……小町さんって、お兄さんにだけじゃなく家族全員に愛されてるんすね」

八幡「愛されてるっていうか溺愛してる感じだな」

大志「え、えー……」

再度どん引く大志。きっと今こいつの中で小町以外の比企谷家の株がどんどん下がってるだろう。

大志「ま、まあそれは確かにかなり大変そうっすけど……別に諦める理由にはならないっすよ」

さも当然のように言ってのけられる。こいつとはどこか根本的なところが違うのか……?

大志「それにこういうのは多分諦めるか諦めないかじゃなくて……諦められない、っていうもんだと思うっす」

八幡「……なるほどな。納得いった」

違ってなんかいなかった。

同じだ。ビックリするくらい同じなのだ。

諦めようと思って諦めるもんじゃない。この気持ちはそんな綺麗にまとめられるもんじゃなく、もがき苦しみあがいて悩み……それでもどうしようもないものなのだ。

諦めないではなく諦められない。だから……手を伸ばすしかない。

大志「えっと、今の質問も勉強になんか関係あるんすかね?」

八幡「モチベーションを上げるための志望理由の確認的なことだ。……別に後付けの理由とかじゃないぞ?」

大志「えー……」

大志の不満げな声を聞きながら、ドリンクを飲む。容器はだいぶ軽くなり、ストローはズズッという音をたてている。

ちびちびと飲んできたがなくなってしまったようだ。ちょうどいい、ちょっと真面目に勉強会の再開としよう。

八幡「ほら、次のページだ」

まあ可愛い……かどうかはおいといて、未来の後輩のためだ。

たまには先輩らしく、かっこいいところを見せてやろう。


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