過去ログ - 雪乃「LINE?」結衣「そう!みんなでやろうよ!」
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925: ◆itPh.0zEvU[saga]
2016/05/01(日) 20:54:36.00 ID:0Wnj0Qzk0
自販機前にようやくたどり着く。だが、驚くことに雪ノ下の姿はなかった。……いや驚くほどのことでもないか。偶然あいつの登校が遅かったってだけだろう。

MAXコーヒーを買って冷えた体に流し込む。体に栄養が行き渡るのをなんとなく感じながらケータイを弄って時間を潰す。

まだかなー、面白そうなSS大体読み終わっちゃったぞ。

時間を見るともうチャイムが鳴るまであまり時間はない。もう少ししたら教室へ向かわなければならないような時間だ。

昔の思い出がよみがえりちくりと胸が痛む。だがそれも一瞬のこと。俺は思考を悲観的から現実的へとシフトさせる。

もちろん俺が一人で舞い上がって、してもいない約束をした気になっていた可能性は充分ありえる。だが、もっと可能性が高いものがある。

ケータイを取り出して雪ノ下とのLINEの画面を開く。相変わらず中盤からお互い変なテンションになってしまっているが、それは見ないフリだ。

深呼吸を二回。少しばかりの緊張を携え、俺は一度も使ったことのない「通話」を初めてタップした。

独特なコール音が鳴ること数回。電話の向こう側の人物が声を出す。

雪乃『……もしもし』

八幡「おはよう雪ノ下」

雪乃『……比企谷君?……ふふ、まさか起きてすぐに貴方の声を聞ける日が来るなんてね』

声音から明らかに寝ぼけていることが分かる。俺の予想はどうやら当たってしまったようだ。やはり俺とのLINEが終わったあと寝てしまっていたらしい。

……それと、後半のは聞かなかったことにしよう。でないと部活に出れる気がしない。あいつとまともに会える気がしない。

八幡「あー……寝ぼけてるとこ悪いんだが、時間見てくれ」

ガタァ!!と、とんでもない勢いで起きたのであろう音がケータイから聞こえてくる。それだけでも雪ノ下が相当焦っていることがよく分かった。

八幡「お、落ち着け雪ノ下。とりあえず起きたなら学校来る準備しとけ。先生には俺から言っとくから」

雪乃『そ、そうね、お願いするわ。……ところで貴方はもう学校にいるのかしら?』

八幡「ああ……っと、やばい。そろそろチャイムが鳴るからもう切るぞ」

雪乃『あ、ちょっと』

何かを言いかけていたようだが、無視して電話を切る。ケータイを乱暴にポケットへ突っ込みながら教室へ向かう。

頭の中で今日の時間割を確認する。よし、昼までなら寝て問題なさそうだ。

教室に辿り着いた俺が席に着くのとチャイムがなるのは同時だった。

HRが終わり、先生に雪ノ下が遅れることを伝えて俺の任務は終わった。あとは寝るだけだ。

朝は多少ごたついてしまったが、この後はきっと何事もなく過ぎていくだろう。そんな風に信じながら、俺はゆっくり目を閉じた。


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