過去ログ - いーちゃん「魔法少女?」哀川「そうともさ」
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196: ◆EWlGtrnu5g[saga]
2014/08/15(金) 23:02:54.66 ID:LvqvQdD5o
「ここは…どこ?」

言われるがまま着いてきた美樹さやかが到着した場所は古びた教会だった。
おそらくもう誰もいないだろう。

「ここはあたしの教会さ」

元ね、と付け足す。

「なんでこんな場所に…?」

疑問に思った美樹さやかは尋ねる。
それに対し佐倉杏子は遠くを見ながらクスリと笑う。
その目はどこかさみしそうに見えた。

「あたしのオヤジはさ、いわゆる神父ってやつだった」

「人々に教えを説く、ってよくあるあれさ」

「だけど上手い具合に人が集まらなくてね」

「いっつも貧乏暮らしだったよ、あたしは」

あはは、と困ったように笑う佐倉杏子。
昨日のイメージとはどうも違う。

「だけど今思えば、その頃が一番楽しかったんだよな」

もう二度と手に入ることのない温もりをゆっくりと思い出すように目を閉じる。
昨日の荒々しさは嘘のようになかった。

「あるときオヤジは教えにないことまで説き出した。つっても悪いことじゃないぜ、オヤジ自身がこうしなきゃいけねぇってことをさ」

要するに間違っちまったんだ。
こう言って一息ついた佐倉杏子は思い出したような顔をする。

「あたしの名前を言ってなかったな、佐倉杏子だ」

にかっと笑う佐倉杏子を見て美樹さやかは違和感を覚える。
こんな奴をあんな風にしてしまう魔法少女の存在に対して。

「美樹…さやかよ」

自分自身も名乗る。

「さやかか…。いい名前だな」

昨日殺しあった仲なのによくそんなことが言えるものだ、と美樹さやかはため息をつく。
駄目だ、こいつは私の苦手なタイプかもしれない。
そう思っているうちに佐倉杏子はまた自分の過去を語り出した。





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