過去ログ - 絵里「その花の色は海のよう」
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22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 16:19:23.41 ID:PqSllGERo

 今日が曇り空ならよかったのに。

 ガードレールに守られた上り坂の歩道を
 すたすた抜けていく彼女の後ろ姿を追いながら、
 宛てもなく太陽をうらんだ。

 ここからはあの綺麗な髪しか見えなくて、今どんな顔してるのか想像もつかない。
 道の反対側の建物の影はここまで届かず、
 私たちはガードレールの内側で痛いほど肌を焼く太陽に打たれてた。
 灼熱地獄が言葉を奪って、
 もはやただ目的地へと足を進めるロボットになっていた。

 「今日が雨ならきっと泣けてた」って曲を思い出す。
 歌詞の他の部分は知らない、
 PVで誰かがバレエをしてたのだけ覚えてる。
 たしか、
 雨粒が土を濡らすようにしっとりした歌声だった。

 でもここには水滴ひとつなくって、
 おまけに地面はアスファルトで固められきっている。
 車線から歩行者を守るはずのガードレールが、
 私たちを閉じこめる檻のように思えた。



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