過去ログ - 幼馴染「彼氏出来たから紹介するね」男「…え?」
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513:名無しNIPPER
2015/07/06(月) 20:24:24.85 ID:O1xONmO+O
逃げ出そうとした私は、不意に怪物の姿を観察してしまった。

何をそんなに大声を張り上げる必要があるのか? 届かないと理解していて、元より届けることすら放棄している行為。

気まぐれにしては長く、興味本位にしては短すぎる程度に私は気になった。


見れば見るほど彼女はおかしいモノであることは、応援が終わった後、話をしてみたことから理解できた。


おかしいことに、化け物のクセに傷が沢山あった。

おかしいことに、化け物のクセに先へと進んだ形跡があった。

おかしいことに、化け物のクセに化け物だと知らなかったようだ。


『彼女は一体ナニモノなんだ? コイツはどうしてここに居る? なんで努力を知っているのにおかしいんだ?』

疑問は新たらな疑問を次々と浮かび上がらせる。とうとう意味不明すぎて頭にきた私は、その彼女の手を掴んでしまった。

『ダメだ、コイツを見てるとどうしようもなく苛つく。腹が立って仕方ない、もう応援相手の近くまで届けてやろう、やかましいから』


その時の気持ちを今にしてみれば同情、哀れという感情が占めていたと判断がつく。

彼女の異常性が努力を上回ろうとしている。当時、生きることすら無駄だと思い切っていた私には理解不能な行動原理。


何時だって異常性はつきまとう。何故、ここまで努力を残したまま異常性と折り合いつけられていたのか意味不明だった。


届くはずがない距離で、元から届かせるつもりがない気持ちで、でも必死に応援して『この想い』を届けたい──


一体何がしたい? 無駄だ、マジで無駄。そんな努力をするのなら、もとより無駄だと割りきって……あぁ…

…何度も何度も無駄なことを続けるからこそ、彼女は…怪物なのだと…それが異常なのだと、今の私には分かる。


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